家族もキャリアも大事にしたいあなたへ。“5年後の私”を描くと、今が整う。

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最近、とある働くママのクライアントさんと
コーチングセッションで話したことが、ちょっと心に残っています。

何事にもきっちり向き合うタイプの、とても素敵な方なのですが、
“今日をこなす”ことで精一杯になっていて、
本当にやりたい仕事に向かえている感覚が持てていない——
どうやら、そんな日々が続いているようでした。

きっと、この感覚って
多くの方にとって共通するものがあるんじゃないかと思います。

仕事、家庭、子育て。
どれも手を抜きたくないからこそ、
未来のことを考える余裕がなかなかつくれない。

でも実は、
未来を描くことは、“今を整える力”になるんです。
未来を見渡せるだけで、
いまの気持ちに少しゆとりが生まれたり、
日々の選択が軽くなったりすることがあります。

この記事では、
忙しい働くママでも無理なく未来を描き直せる
「現在 → 5年後 → 1年後」の棚卸しの方法と、
本当にやりたい仕事に向き合うためのヒントをまとめました。

家族もキャリアも大事にしたいあなたへ。
一緒に“5年後の私”を描き直す時間を過ごしていきましょう。

序章|気づいたら“今日をこなすだけの毎日”になっていませんか?

気づけば毎日、仕事と家庭の予定をつないで走り続けている。
日中は会議や業務対応であっという間に時間が過ぎ、
気がつけばもう夕方。

家のことは家のことで、やるべきことはたくさんある。
子どもの学校連絡の確認、夕飯の支度、翌日の準備。
ようやく一息つけた頃には、もう寝る時間になっている。

こんなふうに「今日を回すだけ」で終わる日が続くと、
ふと 「この先、私はどうしたいんだろう?」 と
立ち止まる余裕さえなくなってしまう。

仕事は嫌いじゃない。むしろ好き。
家族も大事で、子どもたちとの時間も欠かせない。
毎日は忙しいけれど、どこか「充実している」感覚もある。

ただ、その“充実”の影で、
未来の自分を置き去りにしてしまう怖さ が
じわっと広がっていることに気付く瞬間がある。

今日をこなすだけで手一杯のとき、
「本当にこの働き方でいいのか?」
「5年後の私は、どんな時間を生きていたいのか?」
そんな問いが、心の奥で静かに聞こえてくる。

あなたは怠けているわけじゃない。
むしろ、誰よりもがんばっている。
だからこそ、忙しさに飲み込まれる前に、
ほんの少しだけ“未来の自分”へ意識を向ける時間が必要になる。

忙しい毎日でも、未来はいつからでも描き直せます。
今回の記事では、その具体的なステップを整理していきましょう。

第1章|忙しさが続くと「この先の私」が曇っていく理由

未来のことを考えたい気持ちはあるのに、
なぜか“この先の自分”の姿をイメージしようとするとぼんやりしてしまう——。

忙しさに追われる日々が続くと、
未来を描くための思考の余白が、少しずつ削られていきます。

ここでは、「どうして未来が見えにくくなるのか」を、
働くママに起きやすいリアルな視点から整理していきます。

1|目の前のタスクに反応し続けるだけで、1日が終わってしまうから

朝から会議、資料作成、メールの対応。
急ぎの依頼が入れば、気持ちの切り替えも必要になる。

気づけば “今日をどう乗り切るか” に意識の多くが向いていて、
未来に意識を向ける余裕がなくなってしまう。

この状態が続くと、
視野は自然と近い未来だけに固定されてしまいがちです。

2|“頑張ってなんとかする”ことが習慣化し、本音の願いが見えなくなるから

職場でも家庭でも、頼られることが多い。
「ここまでは自分がやったほうが早い」と思ってしまう。
優先順位を調整しながら、毎日をなんとか回していく。

この「頑張ってなんとかする」という姿勢は強みでもあるけれど、
続けていると “本当はどうしたいのか” が奥に押し込まれてしまう。

その本音が、すぐには手に取れない場所に隠れてしまうんです。

3|思考の“余白”がなくなり、未来を考えるスペースが消えてしまうから

未来を考えるうえで必要なのは、
まとまった時間よりも、ほんの数分の静かな余白。

ところが、忙しさが積み重なると、
その数分でさえも他のタスクに埋まってしまう。

今日をどうまわすかだけで頭がいっぱいになると、
未来を思い浮かべるスペースは自然と消えていく。

その結果、
今の延長線上にある未来しか描けなくなる。

4|周りの期待を優先し、自分の希望が後ろに下がってしまうから

職場の期待、家族の期待、子どもたちの期待。
大切にしたい人が多いほど、
つい自分の希望を後回しにしてしまう。

未来について考えるとき、本当に大切なのは
周りの期待ではなく、あなた自身の願い

でも忙しさが続くと、
その願いの声がますます小さくなっていく。

5|不安や迷いが薄い膜をはり、未来の視界を曇らせてしまうから

仕事の負荷、家庭の状況、予測のつかない変化。
日々のストレスが積み重なると、
未来を見つめる視界にうっすらした膜がかかったように感じる。

「今の働き方を変えるのは少し怖い」
「自分にできるだろうか」
そんな気持ちが、未来のイメージをぼんやりさせてしまうのです。

未来が見えにくいのは、忙しい人に起きる自然な反応

ここまでの理由を振り返るとわかるように、
未来がぼんやりしてしまうのは、
あなたの能力の問題でも、怠けているからでもありません。

未来をもう一度取り戻すために必要なのは、
立ち止まって“棚卸し”をしてみることなんです。

第2章|今を見つめ、5年後を描き、1年後へ落とす “キャリアの棚卸し”

未来がぼんやりしているとき、
「先のことを考えなきゃ」と思っても、なかなか進まないものです。

そこで効果的なのが、
“現在 → 5年後 → 1年後” の順番で未来を描く棚卸し。

これはコーチングの現場でも、
まだ言葉にできていない気持ちが浮かび上がりやすく、
未来の輪郭が自然に整っていく流れです。

では、その3つのステップを一つずつ見ていきましょう。

1|まずは「いまの自分の働き方」を見える化する(現在地の棚卸し)

未来を描くために最初に必要なのは、
いま自分がどんな状態にいるのか を知ること。

現在地を丁寧に見つめるだけで、
未来が見えやすくなる土台が整います。

以下の問いに、思いつくまま書き出してみてください。

● いま、どんな仕事に一番時間を使っている?

業務量の偏りや負荷の実態が見えてきます。

● 家のことで、いま一番気がかりなことは?

家庭面での心の占有スペースが整理されます。

● どの仕事が “好き/前向き/自分らしさ” を感じられる?

エネルギーが湧く源泉に気づけます。

● 日常の中で「いちばん癒される瞬間」はどこ?

自分が自然体に戻れるポイントがわかります。

● どの作業が “疲れる/負荷が大きい” と感じる?

エネルギーを奪う要因が明確になります。

● 本当は、家庭と仕事のバランスをどれくらいにしたい?

“理想の配分”を言葉にすることで、方向性が整っていきます。

これらを書き出すだけで、
“いまの自分” がそっと輪郭を持ちはじめます。

2|次に、“5年後にはどうなっていたいか” を、のびのびと思い描いてみる(中期未来)

現在地が見えたら、
次は少し先の未来へ意識を向けてみましょう。

ここでは、
できるかどうかではなく、どうなっていたいか。

深く考えすぎず、
まずは“のびのび”と想像してみるくらいで大丈夫です。

以下の問いをヒントに、自由に未来を描いてみてください。

● 理想的だと感じる時間の配分は?

(仕事・家庭・自分時間のくらし方)

● 家庭の中で、どんな “母” や “妻” でありたい?

(役割の持ち方)

● プライベートで担っていたい役割はある?

(地域、趣味、学び、コミュニティなど)

● 仕事では、どんな分野や役割に興味がある?

(今の延長にこだわらなくていい)

● どれくらい「やりたい仕事」に時間を使えていれば納得感がある?

(働く満足度の軸)

● どんな状態で働いていたい?

(エネルギッシュ/自然体/マイペース など)

5年後という“少し先”は、
今の制限から自然と距離が生まれ、
まだ言葉になっていない気持ちが静かに浮かび上がる時間軸です。

3|そして、5年後に向けて「1年後の現実的なステップ」を考える(近い未来)

5年後の輪郭が見えてきたら、
次はその未来に向かうための 1年後の状態 を設定します。

1年後は、
“理想と現実をつなぐちょうどいい距離” です。

以下の問いが、未来を“行動可能な形”にしていく手助けになります。

● 1年後、毎日の時間の配分はどうなっている?

(朝・日中・夜・週末のリズムの変化)

● 家族の中で、どんな立ち位置になっている?

(役割・関係性・心の余裕)

● どんなコミュニティに所属している?

(職場以外の居場所・学びの場)

● 身につけたいスキルは、どんな形で習得を進めている?

(独学/講座/実務/ロールモデル など)

● チームの中で、自分らしさをどんなふうに発揮できている?

(強み・役割・関わり方)

● どれくらい“余白”をもって働けている?

(心の余裕・時間の自由度)

ここでは、
“やるべきこと”ではなく “どんな状態になっていたいか” を描くのがポイント。

状態が明確になると、
今日の小さな一歩が自然と見えるようになります。

“現在 → 5年後 → 1年後” が未来を見えやすくする理由

この順番は、
• 現在地を見つめて足元が安定する
• 5年後という“ちょっと先”で気持ちの輪郭が浮かび上がる
• 1年後で行動可能な未来へ落とし込める

という3つが自然に揃う流れです。

未来は、頑張って“ひねり出す”ものではなく、
見えるようになっていくもの。

そのための静かな土台づくりが、
この“棚卸し”なのです。

第3章|忙しいママほど「やりたい仕事」に挑戦すべき理由

働くママは、毎日いくつもの役割を同時に抱えています。

仕事を頑張りながら、
家族の時間も大切にしながら、
自分自身の気持ちとも向き合いながら。

どれも手を抜きたくないからこそ、
“自分のこと” が一番後回しになってしまうのは自然なことです。

でも実は、
忙しいママほど “やりたい仕事” を大切にすることが、
人生全体の充実感につながる。

ここでは、その理由を紐解いていきましょう。

1|“やりたい仕事”は、あなたのエネルギー源になるから

忙しさの中で真っ先に削られるのは、
「好き」「興味がある」「本当はやってみたい」という気持ちです。

でも、“やりたい仕事” は
心のエネルギーを静かに補ってくれます。
• やっていると自然と前向きになれる
• 自分らしさを感じられる
• 学びたい気持ちが湧いてくる
• もう少し頑張ろうと思える

こうした感覚は、
忙しい日々を支える 大切な栄養 になります。

だからこそ、やりたい仕事をゼロにしないことが大事なんです。

2|“やりたい仕事”は家庭の時間にも静かなプラスをもたらすから

「仕事を頑張ると家庭が犠牲になるのでは?」
と不安に思う人も多いですが、実際には違います。

ママ自身が満たされていると、家庭にもその余裕が伝わります。
• 家族との関わりに柔らかさが戻る
• 子どもへの声かけが穏やかになる
• パートナーとのコミュニケーションが円滑になる
• ちょっとした出来事に振り回されにくくなる

仕事と家庭の両方を大事にしたいからこそ、
“やりたい仕事” を大切にする価値があるんです。

3|“やりたい仕事”は、あなたのキャリアの軸を作ってくれるから

忙しい時期ほど、
キャリアは“今の延長線”で考えてしまいがちです。

でも、“やりたい仕事” には
あなたが未来に向かうための 方向性のヒント が隠れています。
• この分野に惹かれる
• この役割が心地いい
• この働き方が合っている
• このスキルをもっと深めたい

こうした小さな気づきの積み重ねが、
あなた自身の キャリアの軸 をつくっていきます。

そしてその軸が 明確にできていると、
迷ったときにも
「どちらを選べば自分らしさにつながるか」
が自然とわかるようになります。

4|“やりたい仕事”に挑戦することは、自分を大切にする行為だから

誰かの期待に応えることも大切です。
それは仕事だけでなく、家庭でもずっと続いている日常の営み。

でも、それだけだと多くの人は心をすり減らしてしまいます。

だからこそ、
「これは私が選んだ仕事だ」と思える時間を持つことは、
自分を静かに支える大切な土台になります。
• 私はチャレンジできている
• 私はやりたいことに取り組めている
• 私は自分の人生を、自分で動かしている

こうした感覚が、忙しいママにとって大きな安心になります。

“やりたい仕事” に挑戦することは、
自分を大切に扱う行為そのもの なのです。

“やりたい仕事”を小さく始めるだけで、未来は動き出す

挑戦といっても、
大きく動く必要はありません。
• 興味のある分野の人に話を聞いてみる
• 10分だけ調べてみる
• スキル学習のメモをつくる
• やりたい分野の小さな業務に “ちょっと手を挙げてみる”

未来は“小さな一歩”からしか動きません。

でもその一歩を踏み出せた瞬間から、
あなたの未来は静かに、確実に変わり始めます。

第4章|未来を動かす“最初の一歩”をつくる──小さな実践が道を拓く

未来を描いたあと、
いちばん多い声は「何から始めればいいかわからない」というものです。

でも、大事なのは“正解の一歩”ではなく、
いまの自分が動ける一番小さな一歩 をつくること。

ここでは、忙しい毎日の中でも無理なく未来を動かせる
行動の組み立て方 を紹介していきます。

1|“今日できること”をひとつだけ決める

未来を描くと、
必要なことが一気に見えて前のめりになりがちです。

でもそこで無理をすると、続きません。

最初に決めるのはただひとつ──
“今日できること”だけでOK。
• 5分だけリサーチする
• メモに一行だけ書く
• 気になる部署の人に声をかけてみる
• 明日の自分へのメモをひとつ用意する

たったこれだけでも、未来は静かに動き出します。

2|“頑張らなきゃ”に頼らず、自然に動ける仕組みをつくる

忙しいママにとって、
行動が続くかどうかは 仕組み が握っています。

“頑張らなきゃ”に頼らず、
自然に動ける仕組みをつくる。

たとえば…
• 子どもが寝た後の10分を「未来時間」にする
• スマホのホーム画面に“学びアプリ”を置く
• 朝のコーヒータイムに1ページだけ読む
• 在宅の日は始業前に10分だけメモする

“自然と動ける仕組み” がつくれると、
未来との距離はぐっと縮まります。

3|“やらなくてもいいこと”をひとつ減らす

未来に向かいたいのに動けないとき、
原因は “無意識の消耗” にあることが多いです。
• 他人のSNSを眺め続ける時間
• 断れない頼まれごと
• 自分を下げる考え方
• 完璧を求めすぎるクセ

こうした “やらなくてもいいこと” を
ひとつ減らすだけでも、
使えるエネルギーは驚くほど増えます。

未来への一歩は、
“やること” だけでなく
“やめること” からも生まれます。

4|半年後の自分に手紙を書いてみる

行動の方向性を整えるのにとても効果的なのが、
“半年後の自分に手紙を書く” という方法。

ちょうど現実味がありつつ、
しっかり未来にも意識が届く距離です。

手紙を書くときのヒントはこちら👇
• 半年前(いま)と比べて、何が変わっている?
• 半年後のあなたは、どんな気持ちで働いている?
• 半年前(いま)の自分に、どんな言葉をかけてあげたい?
• この半年間で、一番納得のいく選択は何?

未来の自分に語りかけることで、
“いまやるべきこと” が自然と浮かび上がってきます。

未来は“一気に変わる”のではなく、“積み重ねで変わる”

大きな変化は一瞬では起こりません。

未来は、
静かな一歩の積み重ねでしか動かない。

そしてその一歩は、
完璧である必要も、劇的である必要もありません。

大きな一歩じゃなくていい。
あなたらしい一歩でOK。

無理をしなくてもいい。
正解を選ばなくても大丈夫。

できることを、
できるタイミングで、
できる分だけ。

その積み重ねが、
あなたの未来をゆっくりと育てていきます。

第5章|未来は、いまの自分を大切にするところから始まる

ここまで読み進めてきたあなたは、
毎日の忙しさの中でも
「もっと自分らしく働きたい」
「未来の方向性を見直したい」
そんな静かな願いを抱えているのかもしれません。

そして、その気持ちをこうして言葉にしようとしている時点で、
未来はすでに少し動き始めています。

1|“いま”を大切にできる人だけが、未来を育てられる

未来を考えようとすると、
つい「変わらなきゃ」「もっと頑張らなきゃ」と
焦る気持ちが生まれがちです。

でも本当は、
いまの自分を丁寧に扱うこと が、
未来を育てるいちばんの近道。
• いま頑張れていること
• いま気になっていること
• いま大事にしたいもの
• いま心にある願い

そのすべてが、未来を形づくる材料です。

2|未来に向かう道は、誰かと比べなくていい

SNSや職場で見える“他の誰か”は、
どうしてもキラキラして見えるもの。

でも、あなたの未来は誰とも比べなくていい。
• 子育てのペース
• キャリアの進み方
• 心の余裕のつくり方
• 学びの時間のとり方

すべて “あなたの毎日とリズム” の中にあるもの。

未来のつくり方も、
あなた自身の速度で大丈夫です。

3|小さな一歩が、未来の景色を変えていく

棚卸しをすることも、
やりたい仕事を大事にすることも、
小さな行動から始めることも。

どれも特別な能力はいりません。

ただ、自分に優しく、
そして正直に向き合うだけ。

その小さな一歩が、
半年後・一年後のあなたの景色を変えていきます。

大きな一歩じゃなくていい。
あなたらしい一歩でOK。

4|未来は、あなたの言葉から育っていく

未来は、
一気に形になるものではありません。

でもあなたが書いた言葉、
あなたが描いた理想、
あなたが選んだ小さな行動が、
ゆっくりと未来をつくっていきます。

思い描いた未来は、
静かに、でも確実にあなたを導いていきます。

締めくくりのメッセージ

あなたは、いまの状況の中で
すでにたくさんのことを頑張っています。

そして、これまでの記事の中で描いてきた未来は、
決して遠すぎるものではありません。

忙しい毎日の中でも、
未来はいつからでも描き直せます。

どうか自分のペースで、
“あなたらしい未来” を育てていってください。

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法人化して感じる違和感と向き合う。これから整えていくべき、本当のこと

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「法人化したのに、なんだか手応えがない…その理由」

会社をつくる。

それって、やっぱりすごいことだと思います。

「ようやく一歩踏み出せた」

「これで本格的にスタートできる」

そんなふうに感じながら、登記を終えて、口座を開設して、名刺に「代表取締役」と入れてみる。

けど、ふと立ち止まる瞬間も出てくるんですよね。

「で、これから何すればいいんだろう?」って。

実際、今年に入って法人化されたクライアントさんもいらっしゃいました。

これまでコツコツと副業を積み上げてきて、いよいよ自分のやりたいことを、自分の看板で始めていこうっていうタイミング。

話を聞いていて感じたのは、

「法人化」って、たしかにひとつの節目ではあるけれど、それで何かが完了するわけじゃないんですよね。

むしろ、ここからが本番。

どう事業を育てていくのか、どんな価値を届けていくのか、いろんな問いが目の前に出てきます。

「法人にしたのに、急に仕事が増えるわけでもない」

「責任は大きくなったけど、やるべきことはまだモヤっとしてる」

そんな感覚、あって当然だと思います。

それでも大丈夫。

大事なのは、「法人にしたこと」そのものよりも、

これからどう使っていくか、どう活かしていくかなんですよね。

ここから先は、「自分のやりたいこと」と「ビジネスとして続けること」をつなげていくフェーズ。

法人化は、そのための土台。

これから先の動き方次第で、ぐっと事業に広がりが出てきます。

「変わったような、変わってないような。でも確実に動き始めていること」

「法人化したけど、何か大きく変わった気がしない」

そんな声を聞くことがあります。

たしかに、普段の仕事内容やサービス内容が急に変わるわけじゃありませんし、目に見える変化は少ないかもしれません。

でも、実は静かに、だけど確実に、いろんなことが変わってるんですよね。

たとえば——

信頼感が変わる

取引先や見込み顧客から見ると、「個人」ではなく「会社」として仕事をしているというだけで、ひとつフィルターが変わります。

もちろん、法人=信頼できる、という単純な話ではないんですが、法人であることが信用の土台として働く場面は少なくありません。

ぼく自身も、知人のコーチから「この案件は企業との契約になるから、法人じゃないと厳しい」と声をかけてもらい、受託の窓口として法人格があったことで参加できたことがありました。

特に大きめの企業になると、個人事業主とはそもそも契約ができない、というケースもあるんですよね。

だからこそ、「法人化したから急に信頼される」ではなくて、**法人であることで入り口に立てる場面が増える”**と考えるといいかもしれません。

お金の扱いが変わる

これは良くも悪くも、ですね。

法人にすると「自分のお金」と「会社のお金」がはっきり分かれるようになります。

経費や報酬の扱い、税金の仕組み、キャッシュフローの見方もガラッと変わります。

ぼくの場合も、法人化したことでお金の流れをより客観的に見るようになりました。

「これは事業の支出として妥当か?」「手元に残るキャッシュはいくらか?」といった視点で見る癖がついて、自然と数字に強くなっていった感覚があります。

あわせて、税金の仕組みについても理解が深まり、リアルな気づきが増えたのを覚えています。

最初はちょっと面倒に感じるかもしれませんが、逆に言えば、ビジネスとしての自覚が育つタイミングでもあるんですよね。

「思ったよりお金が残らないな」とか「税金ってこういう仕組みなんだ!」と、これまでとは違う視点でお金と向き合うようになる

これは、法人化したからこそ得られる感覚かもしれません。

事業との向き合い方が変わる

副業のときは「できるときに」「好きな範囲で」というスタンスだった人も、法人化をきっかけに、

「これを続けていくにはどうしたらいいんだろう?」と視点が変わってきます。

ビジネスモデルや収支のバランス、事業としてのをどう育てていくか。

これまで感覚でやってきた部分が、少しずつ設計に変わっていく。

言い換えると、「想い」だけでなく「戦略」も必要になるタイミングなんです。

「肩書きだけじゃ変わらない。動き出すために必要なこと」

「法人にすれば、もっと仕事が増えるかな」

「ちゃんとした会社として見てもらえたら、安心して依頼されるようになるかも」

そんな期待を持つのは、すごく自然なことです。

実際、これまで副業で頑張ってきた人ほど、「ここからもっと広げていきたい」という気持ちが強くなるものですし、ぼくもそうでした。

でも、ここでひとつ立ち止まって考えてみてほしいんです。

法人化しただけで、ビジネスが勝手に成長することは、残念ながらないんです。

もちろん、法人格があることで信頼の土台ができたり、できる仕事の幅が広がったりするのは確かです。

でもそれはあくまでができたということであって、中身のビジネスが自動的に育つわけではありません。

むしろ、スタートラインに立ったからこそ、これまでよりも一歩深く、「自分の事業とどう向き合っていくか」が問われるフェーズに入っていきます。

たとえばこんなふうに、心のどこかで感じていませんか?

名刺に「代表取締役」と書かれていても、どこかしっくりきていない

「法人を立てたんです」と言うのが、ちょっと気恥ずかしい

自分のサービスを説明するたびに、「本当にこれでいいのかな」と不安になる

もしそうだとしたら、大丈夫です。それは、自然な反応です。

新しいステージに進んだとき、人はみんな少し戸惑うものだから。

ただここで大切なのは、「やりたいこと」を「続けられる形」にするという視点を持つこと。

どれだけ素敵な理念や想いがあっても、ビジネスとして続いていかなければ、届けたい人に届きません。

法人化は肩書き形式を整えることじゃなく、

自分の提供したい価値を、より確かな形で届けるための一歩

だからこそ、「法人化=完成」ではなく、

**「法人化=ようやく本番が始まるところ」**と捉えて、

少しずつ、中身を育てていければそれで十分なんです。

「“代表”になったあなたへ。まず整えておきたい3つのこと」

法人にしたあと、まず感じるのは「やることが多いな」という感覚かもしれません。

経理、契約、SNSの発信、商品の見直し。

やりたいことも、やらなきゃいけないこともたくさんあるけれど、全部いっぺんにはできない。

だからこそ大事なのは、「優先順位をつける」こと

特に最初の数ヶ月は、より強固な土台を整えることに力を注いでみてほしいんです。

ここでは、法人化した後に見直しておきたい3つのテーマをお伝えします。

ビジネスモデルの整理:どうやって売上を立てるか?

「これから何をしていくか?」だけでなく、

**「その活動がどうやって売上につながるか?」**まで見通せるようになることが大切です。

たとえば——

単発の講座で終わってしまわないようにするには?

継続的に収益が入る仕組みをどう作るか?

誰に・どんな価値を届けるのかが、きちんと整理されているか?

商品やサービスを「やりたいこと」だけで組み立てるのではなく、

続けられる形にしていく視点が必要になってきます。

キャッシュフローの把握:お金の動きをつかむ

「法人にしたけど、思ったよりお金が残らない」

これは本当によくある話です。

最初は見えづらいですが、売上の中から何が出ていって、何が残るのかをちゃんと見ていく必要があります。

そのためにおすすめなのは、まずは「ざっくりでもいいから毎月の収支を数字で把握する」こと。

利益が出るかどうか以上に、

「お金の動きがわかるようになる」ことの方が、最初のうちは大事だったりします。

「どの数字を把握しておけば上手くいくか」、あなたなりのダッシュボードを整備するのがこのタイミングです。

この感覚が掴めると、その後の意思決定がぐっとスムーズになります。

たとえば「ここは経費で出していいけど、ここはまだ早いかもな」といったことも、根拠のある感覚で判断できるようになるんですよね。

数字は、意外と自分の思考を整理してくれるんです。

事業の「らしさ」を整える:自分らしい軸をつくる

法人化すると、「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが強くなる人が多いです。

でも実は、「らしさ」が失われるのもこの時期に起こりやすいんですよね。

大切なのは、「何をやるか」だけでなく、

**「なぜそれをやるのか」「どんな人に届けたいのか」**を自分の言葉で話せるようになること。

肩書きや形式に引っ張られすぎず、自分の中にあるを言葉にする

それがあると、迷ったときにも立ち戻れるし、周りとの関係性もグッと築きやすくなります。

ここまでの取り組みは、どれも立ち上げ期の基盤づくりです。

一つひとつを完璧にする必要はありません。

でも、焦らず丁寧に向き合っていくことで、

「なんとなくやってる」から「意図して動いている」に変わっていきます。

それが、ビジネスとしての自信につながっていくんです。

「次のステージに立ったあなたへ」

法人化は、たしかに大きな一歩です。

でもそれは「完成」の証ではなく、

ここから本格的に事業を形にしていくフェーズに入ったという合図のようなもの。

ここから先は、「想い」と「しくみ」の両方を少しずつ育てていく時間です。

そのときに、自分にこんな問いを投げかけてみてください:

この商品・サービスは、続けて提供できるか?

お金の流れは、把握できているか?

この事業は、自分らしさを表現できているか?

判断は、なんとなくじゃなく根拠のある感覚でできているか?

これらの問いに「今はまだ答えられないかも」と思っても大丈夫。

むしろ問い続けて、少しずつ創り上げていけばいいんです。

それこそが、あなただけのビジネスの形になっていきます。

「なんとなくやっている」から「意図して動いている」へ。

その変化が、ビジネスとしての自信をつくっていきます。

法人化はゴールじゃない。

でも、確かにあなたは、次のステージに立っている。

ここから始まる事業の旅を、ぜひあなたらしく、たのしんでください。

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昇進・昇格したあなたへ『何から始めればいいの?』迷ったときに立ち返る5つの視点

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はじめに:昇進はゴールではなくスタート

年度初め。

この時期、新しい肩書きでスタートを切った方も多いのではないでしょうか。

昇進や昇格は、これまでの努力が認められた大きな節目です。

でも同時に、「ここからが本当のスタートだ」と実感する瞬間でもあります。

今年度も、ぼくのコーチングを継続してくださっている方の中に、昇進・昇格を迎えた方が何人かいらっしゃいます。

新しい役割に向き合う姿はどの方も本当に真摯で、ぼく自身も毎回刺激を受けています。

実はこのブログも、その中のお一人とのセッションがきっかけで書いています。

初めて部下を持つことになり、「自分に人を育てることができるのか?」という問いに向き合っていた方です。

昇進したばかりの頃って、「とにかくミスなく回さないと」とか、「まずは自分がちゃんとやらないと」って気持ちになりやすいですよね。

ぼくもこれまで何人も、そんな気持ちで新しい役割に飛び込んでいく方たちを見てきました。

その姿勢はすばらしいし、責任感のある証拠。

でも、一つだけ視点を足すとしたら──

**「チームとして成果を出すには、自分一人では限界がある」**ということです。

なりたて管理職がはまりやすい「3つのトラップ」

① ✋ これまでどおり、自分で動いたほうが早いと思ってしまう

→ 手を動かせば成果は出る。でも、それを続けるほど部下は育たない。

② 📈 プレイヤーとしての延長線上で成果を出そうとする

→ 数字や結果で目立とうとするが、それはマネジメントの本質とはズレている。

③ 🧠 部下のことより、自分のことでいっぱいいっぱいになる

→ 「まず自分がちゃんとしなきゃ」と思いすぎて、部下との関係づくりが後回しに。

これ、全部「自分のがんばり」で何とかしようとしている状態なんですよね。

でも、役割が変わった今こそ、目を向けてほしいことがあります。

それは──

部下と一緒に成果を出していく、という視点です。

たとえば、自分がいないときもチームがちゃんと動いていたり、

誰かが「そのやり方、前に○○さんから学んだんです」とあなたのことを言ってくれたり。

そういう“じわっとくる成果”って、ほんとうに嬉しいんです。

だからこそ、今このタイミングで「育てる」というテーマに目を向けることは、

マネージャーとしてのスタートラインに立った今だからこそ、意味のあることだと思っています。

このブログでは、「育てるマネジメントって、どうやって始めればいいのか?」

そのヒントをお届けしていきます。

自分らしい関わり方を見つけたいと思っているあなたに、少しでも参考になれば嬉しいです。

1️⃣ 自分でやった方が早い、の壁

「これ、教えるより自分でやった方が早いな…」

管理職になって最初にぶつかる壁が、まさにこの感覚かもしれません。

チームとして成果を出したいと思っていても、現場は待ってくれません。

納期はあるし、質も落としたくない。

だからつい、手を出してしまう。自分でやった方が早いから。

しかも、切羽詰まれば詰まるほど、頭ではわかっていても思うようにいかないんですよね。

•報告の期限が明日まで!

•月末に売上が全然足りてない!

•プレゼンのクオリティがどうしても上がらない!

こういうとき、「育てる」なんて余裕がないよ…って思うのも、正直なところじゃないでしょうか。

「自分がいないと回らない」チームができあがる

もしあなたがずっとそのやり方を続けていたら、

メンバーは「困ったら上司に頼めばいい」「任せても結局自分で直される」と感じるようになります。

その結果、少しずつ自分で考える力や、自分で動く責任感が薄れていってしまうんです。

これって、長い目で見るとけっこう大きなリスクですよね。

でも、それでも少しずつ視点をずらしていくことができれば、

“自分がやる”というスタイルから抜け出していくことができます。

じゃあ任せるって、どうすればいいの?

「任せよう」と思っても、最初は勇気がいります。

でも、いきなり“全部”任せなくていいんです。

まずは「ここまでは任せる」という範囲を決めること。

その上で、うまくいかなかったときにどうフォローするかもセットで考えておく。

この“準備付きの任せ方”が、育てるマネジメントの最初の一歩になります。

そして大事なのは、「どうだった?」と振り返る時間をつくること。

これは、任せっぱなしではなく、関わり続ける姿勢を伝えることにもつながります。

任せることは、期待を伝えることでもある

人は、自分に期待されていると感じたときに一歩前に出ます。

逆に「どうせ無理だろうな」と思われていると、それ以上がんばろうとしません。

だからこそ、「やってみて」「任せるね」と伝えることは、

**「あなたならできると信じてる」**というメッセージにもなるんです。

もちろん、うまくいかないこともあります。

でも、そこで一緒に考え、成長のプロセスに付き合うことこそ、マネジメントの醍醐味かもしれません。

あなたがやった方が早い。

でも、あなたが“任せた先”にしか生まれない成長がある

それを信じて、最初の一歩を踏み出してみませんか?

2️⃣ 1on1は“管理”じゃなく“関係づくり”

昇進後にまず始めたほうがいいアクションは何ですか?

そう聞かれたら、ぼくは迷わずこう答えます。

「1on1をやってみてください」と。

メンバー一人ひとりと、落ち着いて話す時間を取ること。

これは、これからのチームづくりの土台になります。

でも、1on1ってやったことがないと、ちょっとハードル高く感じますよね。

「何を話せばいいんだろう…」とか

「ちゃんとアドバイスできる自信がない…」とか。

大丈夫です。

最初の1on1でいきなり深い話をしようとしなくてOKです。

むしろ、“管理”じゃなく“関係”をつくる場なんだと考えてもらえたら十分です。

聴くことから始まる信頼関係

1on1でいちばん大切なのは、相手の話を“ちゃんと聴く”こと。

アドバイスすることでも、管理することでもありません。

「最近どう?」というシンプルな問いからでも大丈夫。

相手の口から出てくる言葉を、途中でさえぎらず、評価せずに聴く。

これだけで、少しずつ「この人には話してもいいかも」という空気が生まれてきます。

上司が“ちゃんと聴いてくれる人”であることの価値

メンバーにとって、上司が「ちゃんと話を聴いてくれる人」かどうかは、とても大きな意味を持ちます。

ここでの“ちゃんと”には、ただ聞いているのではなく、評価せずに、途中で遮らずに、最後まで耳を傾けてくれるというニュアンスが含まれます。

仕事で判断に迷ったとき、誰かとの関係に悩んだとき。

そんなときに「この人なら話してもいいかも」と思える存在がいるだけで、人は安心し、前を向いていけるんです。

あなたが1on1を通じて「この人は大丈夫」と思ってもらえる存在になれたら、

それだけでチームの安心感と自走力は、確実に上がっていきます。

完璧な質問なんていらない

「どんな質問をすればいいですか?」と聞かれることもありますが、

正解の質問なんて、実はありません。

大事なのは、あなたが相手に関心を持っているかどうか。

その気持ちがあれば、多少ぎこちなくても1on1は成立します。

たとえば:

•「最近、仕事で面白かったことってある?」

•「いま、ちょっとしんどいなって思ってることってある?」

•「このチームで、もっとこうなったらいいなって思うことある?」

ちょっとした問いでも、関係性を深めるきっかけになります。

まずは月1回でも、10分でもいい。

1on1を始めてみることで、チームの空気は確実に変わりはじめます。

そして気づいたとき、きっとこう思うはずです。

「チームって、ひとりひとりとの対話の積み重ねでできていくんだな」と。

3️⃣ “強み”からマネジメントするという視点

部下の育成というと、つい「どこが足りないか」「何を直すべきか」に目が向きがちです。

もちろん、改善点に気づいて支援することは大切ですが──

そればかりだと、本人のモチベーションが下がってしまうこともあります。

そんなときこそ、“強み”に目を向けるという視点が力を発揮します。

弱点を補うより、強みを活かす方が伸びる

人は、自分の得意なことをやっているときに、自然とエネルギーが湧いてきます。

集中力も高まるし、周囲にも良い影響を与えやすくなる。

それはきっと、あなた自身も経験があるはずです。

だからこそ、上司として「この人は何が得意なのか?」「どんなときにイキイキしてるのか?」に目を向けて観察すること

それが、育成の入り口になります。

では、具体的にどこを見ればいいのか?

ぼくがよくお伝えしているのは、こんな3つの観点です。

その人が楽しそうに取り組んでいること(=好き)

周囲が自然とその人に頼っていること(=任せたくなる)

結果が出ていて、周囲からも評価されていること(=成果)

この3つが重なるところに、その人の“強み”が隠れていることがよくあります。

しかもそれは、目に見えるスキルだけじゃなく、関わり方や姿勢、仕事へのスタンスのような「その人らしさ」にも現れるんです。

「役割」ではなく「可能性」で関わる

マネージャーになると、つい“役割”で人を見てしまいがちです。

「あの人は経理だから数字まわり」「彼は中堅だから後輩指導」など。

でも、強みで見るということは、「この人にはこんな可能性があるかもしれない」という視点を持つということ。

実際にやったことがなくても、「向いてそう」と思えることを小さく任せてみることで、思わぬ成長につながることもあります。

強みを活かすチームは、自走する

強みを起点に任せられたメンバーは、「自分の力が活かされている」と感じやすくなります。

その実感が、自信と行動につながり、少しずつチーム全体の流れが変わっていきます。

こうした経験を積み重ねることで、メンバーの「自立」や「主体性」が育っていきます。

自分の意思で動ける人が増えると、やがてチーム全体が“自走”しはじめる。

「この人なら、あれを任せてみようかな」

そんな小さな選択の連続が、自走できるチームを育てていくんです。

強みを見る視点は、マネジメントにおいてとても優しい眼差しです。

それは、「あなたを見ているよ」「可能性を信じてるよ」というサインでもあります。

あなたがその視点を持つだけで、メンバーの表情がふっと明るくなる瞬間が、きっとあるはずです。

4️⃣ 自分の“理想の上司像”を棚卸ししてみる

部下を育てたい。

でも、自分はどう関わればいいのか、正解がわからない。

そんなときこそ、「自分がどんな上司でいたいか?」を考えてみることがヒントになります。

難しく考えなくても大丈夫です。

過去をちょっとだけ振り返ってみるだけでいいんです。

「この人みたいになりたい」と思った上司は誰でしたか?

•どんな関わり方をしてくれていましたか?

•どんな言葉が印象に残っていますか?

•自分がどんなふうに変わっていったか、覚えていますか?

あなた自身が成長したと感じた瞬間には、きっと誰かの“関わり”があったはずです。

そして大事なのは、その人のすべてを真似しようとしなくていいということ。

完璧に理想的な人なんて、きっといません。

でも、「あのときの言葉が嬉しかったな」「あの接し方は印象に残ってるな」

そんな“ひとつひとつの部品”のような要素を、自分なりに切り取って取り入れていけばいいんです。

そうやって、少しずつ自分だけのマネジメントスタイルをつくっていけばいい。

正解を探すのではなく、「自分の軸」を持つこと

マネジメントに“正解”はありません。

でも、「自分がどんな上司でいたいか」という軸があると、

迷ったときにもブレにくくなります。

•部下にどんなふうに関わりたいか

•どんなチームをつくりたいか

•自分がどんなふうに信頼されたいか

言葉にしてみることで、自分のマネジメントスタイルが少しずつ見えてきます。

育てるマネジメントは、他人のマネをすることじゃない。

あなた自身の言葉と行動で、少しずつ形づくられていくものです。

だからまずは、自分の過去を棚卸しして、

「自分が大切にしたい関わり方」を見つけるところから始めてみませんか?

5️⃣ 育成に“正解”はない

ここまで読んで、「なるほど、とは思うけれど…」と感じている方もいるかもしれません。

現場は忙しいし、余裕なんてない日もある。

ちゃんとやれている実感が持てないまま、毎日が過ぎていく。

そんな中で、「育てるマネジメント」なんて言われても、うまくできる気がしない──

そう感じるのも、すごく自然なことです。

育成は、正解を目指すものじゃない

マネジメントって、“うまくやろう”と思えば思うほど、プレッシャーが増します。

でも実際は、育成に「これが正解!」という唯一の答えなんてありません。

相手も状況も日々変わっていく中で、

あなた自身も試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ形をつくっていくしかない。

ときには遠回りに感じることもあるけれど、

そのプロセスこそが、あなたのチームを育てていく時間になります。

大切なのは、「関わろうとする意志」

うまくいくかどうかよりも、

何より大切なのは、**「部下と関わろうとする意志があるかどうか」**です。

忙しい中でも、少し時間を取って話を聴こうとする。

うまく伝わらなくても、また別の角度で伝えようとする。

任せたことに口を出したくなっても、信じて見守ろうとする。

その積み重ねが、メンバーに伝わっていきます。

「ちゃんと見てもらえている」「自分のことを気にかけてもらえている」

そんな実感が、行動を変えていくんです。

あなたのマネジメントには、あなたらしさがあっていい

ここまで読んでくれたあなたには、きっと「いいマネジメントをしたい」という思いがあるはずです。

その気持ちがある限り、たとえ迷いながらでも、きっとチームはついてきてくれます。

大事なのは、正しくやろうとしすぎないこと

完璧じゃなくていい。あなたらしさがある関わり方こそが、チームの空気をつくっていきます。

育成は、ゆっくりでいいんです。

関わる中で、お互いが育っていけばいい。

それが、あなたのチームの、これからの土台になっていきます。

🧭 おわりに:あなたらしい育成の一歩を

ここまで、「育てるマネジメント」をテーマに、5つの視点をお届けしてきました。

✅ 自分でやった方が早い、の壁を超える

✅ 1on1は“管理”ではなく“関係づくり”

✅ 強みからマネジメントするという視点

✅ 自分の理想の上司像を棚卸ししてみる

✅ 育成に“正解”はない

どれも、すぐに完璧にできるものではありません。

でも、どれも「意識して関わろう」と思ったその瞬間から、

少しずつチームの空気は変わっていきます。

昇進・昇格は、ゴールではなく新しいスタート。

大変なことも増えるけれど、その分だけ“育てる喜び”も手にしていけるはずです。

だからこそ、正解を探すのではなく、

「自分だったら、どんなふうに関わりたいか?」を問いながら、

あなたらしい育成の一歩を踏み出してみてください。

その一歩が、未来のチームをつくっていきます。

今日もその歩みを応援しています

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