会社を辞めるだけが自由じゃない。選べる自分になるための準備

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副業が少しずつ軌道に乗ってきた。
本業もそれなりにうまくいっていて、収入も安定している。
「じゃあ、何も問題ないはずじゃない?」
…頭ではそう思っているのに、ふとした瞬間にモヤモヤする。

このまま、ずっと会社に軸足を置いて生きていくんだろうか。
副業の予定も、本業の合間や夜間に詰め込む日々。
どこかで、「これが本当にやりたいことだったっけ?」という問いがよぎる。

——辞めたいわけじゃない。
でも、「もっと自分らしく働ける形があるんじゃないか」と思い始めている。
副業で感じた“手応え”や“自分の可能性”を、もっと活かせる道はないのだろうか——。

そんな思いを語ってくれたクライアントさんとの対話が、ぼくの中にも響きました。
実はぼく自身も、ただの会社員だった頃から副業としてコーチングを始め、独立、法人化と、段階的に選択肢を広げてきたひとりです。
だからこそ、「会社を辞めるかどうか」ではなく、“どうすれば自分らしく選べる状態でいられるか”という問いには、今でも何度も立ち返っています。

その選択の結果が、副業でも、転職でも、社内の異動でも、今の仕事を続けることでも、どれが正しいかではないと思っています。
大切なのは、それを「自分で選んでいる」と感じられること。

今これを読んでいるあなたが、
自分の人生や、仕事、働き方を「自分らしく選ぶ」ヒントを持ち帰っていただけたら嬉しいです。

1. 「辞める or 辞めない」の二択思考が、自分を縛ってしまう

副業がうまくいきはじめると、ふとした瞬間にこんなことを考える人がいます。

「このまま会社を続けるか、思い切って辞めるか」
「いっそ独立したほうがスッキリするんじゃないか」
「でも、家族のことを考えると…現実的じゃないよな」

実際、こうした話はコーチングの現場でもよく出てきます。
でも、ここで少し立ち止まって考えてみてほしいのです。

「このまま」か「辞めるか」しかないように見えるとき、視野そのものが狭くなっている

自分の中にある違和感や物足りなさ。
それを「辞める or 辞めない」という大きな決断に置き換えると、思考はたしかに動き出しやすくなります。
でも、それが本当に自分の納得感や充実感につながるとは限りません。
結果として、どちらを選んでもなんだかしっくりこない——そんな状態に陥ることもあります。

でも本来、「辞めたいわけじゃない」と思っている自分も確かにいる。
同時に、「このままでいいのかな」と問いかけている自分もいる。
この2つの感覚は、矛盾ではなく“共存”しているものなんです。

選択肢が見えていないのではなく、
“見えない状態”を許せない気持ちが、二択というシンプルな構造に無理やり当てはめてしまう。
そこに気づけると、「選べない」と感じていた状況にも、少し余白が生まれてきます。

決めきれないのではなく、
まだ言語化できていない感覚が、自分の中にあるだけかもしれません。

そして、その感覚は、必ずしも今すぐ言葉にできるようになる必要はないのだと思います。
まだ言葉にならない“違和感”や“もやもや”も、
自分にとって何か大事なことを知らせてくれているのかもしれません。

無理に結論を出そうとするのではなく、

「これは何を教えてくれようとしているんだろう?」

と、そっと問いを置いてみる。

そんなふうに、少し距離をとって感じてみるのも、一つの選択だと思うのです。

2. 副業の充実や手応えが、キャリアの選択肢を広げてくれる

副業が少しずつ形になってきたとき、私たちは数字や成果に注目しがちです。
「年収にどのくらいインパクトがあるか」
「本業と比較して、どれくらい意味があるのか」
そんなふうに、わかりやすい尺度で“価値”を測ろうとしてしまう。

でも、副業の本当の価値は、数字では見えにくい部分にこそあるのではないかと思います。

たとえば——
「自分で考えて、自分で動いて、結果を出した」という手応え。
本業ではなかなか得られなかった、“自分の感覚が通用した”という実感。
あるいは、普段出会わない人たちとのやりとりの中で感じた、新鮮な視点や広がり。

それらはすべて、「選べる自分」を育ててくれる要素です。

副業がうまくいっているからといって、すぐに独立する必要はありません。
むしろ、副業があるからこそ、「辞める/辞めない」以外の選択肢が自分の中に育っていく。
そしてそれが、本業に対するスタンスや関わり方にも、少しずつ変化をもたらしていく。

副業は、“逃げ道”でも“野望”でもなく、
**「自分らしさを確かめられる場」**として活かすことができる。

そう考えると、キャリアの軸が少しずつ“外側”にも育っていく感じがして、
選択肢が増えるだけでなく、「今ここ」にも安心していられるようになるのだと思います。

3. 「選べる自分」をつくる3つの準備

ここまでの話を読んで、
「たしかに…今すぐ辞めたいわけじゃないけど、もっと“選べる状態”になっていたい」
そう感じた方もいるかもしれません。

では、どうすれば“選べる自分”になれるのでしょうか?
これは一気に変えるものではなく、小さな準備の積み重ねで育っていくものだと、ぼくは思っています。

ここでは、そのためのヒントを3つ、ご紹介します。

① スキルと関係性の棚卸しをしてみる

自分には何ができて、どんな人とのつながりがあるのか。
これは、いざというときの選択肢を考えるうえで、土台になる情報です。

でも「強み」や「キャリアの棚卸し」といった言葉を聞くと、
ちょっと構えてしまう人もいるかもしれません。

そんなときは、

「今、自分が周りから求められていることって何だろう?」

「どんな時に“自分らしさ”を感じているだろう?」

そんな問いからゆるく始めても、十分価値があります。

② 社内と社外、両方に“話せる人”を持っておく

選択肢を広げるときに、一人で考えすぎると行き詰まりがちです。
社内の同僚や上司も大事ですが、**利害関係のない“社外の誰か”**との会話が、とても助けになることがあります。

過去にお世話になった上司、副業を通じて出会った人、
あるいはコーチやメンター的な存在。
「話すと、思考が整理される」という感覚をくれる人がいると、選択肢を“実感”として持てるようになっていきます。

③ 「こうありたい」を、ふんわりでも言葉にしておく

キャリアの選択肢を広げるうえで、「こうしたい」よりも大事なのは、
**「こうありたい」**という自分の感覚です。

・誰と、どんな時間を過ごしたいのか
・どんな状態だと、自分らしくいられるのか
・暮らし方、働き方、ペース感…心地よさの基準

こうした感覚は、はっきりと言葉にならなくてもかまいません。
でも、意識のどこかに持っておくことで、「選択肢の中から選ぶ」のではなく、
**「自分の基準で選ぶ」**ことができるようになっていきます。

たくさん準備しなければならないわけではありません。
でも、ちょっとした問いかけや、身近な誰かとの会話がきっかけになって、
“選べる自分”という感覚は少しずつ育っていく。

焦らず、でも見ないふりをしないで。
そんな距離感で、自分と向き合ってみてください。

4. まとめ:「自分で選んでいる」という感覚が、働き方の安心感につながる

「副業がうまくいってきたけど、このままでいいのかな」
「本業も悪くないけど、何か物足りない」
「辞めたいわけじゃない。でも、選択肢が少ない気がする」

そんな声に、これまで何度も出会ってきました。
そして、これらの声に共通していたのは、「どうしたらもっと自分らしく働けるか?」という問いでした。

“会社を辞める”ことが正解ではないし、
“今のまま続ける”ことが間違いでもない。

大切なのは、「自分で選んでいる」と感じられること

副業があること、誰かに話せること、
そして、「こうありたい」とふんわりでも描けること。
それらが少しずつ積み重なって、選択肢が見えてくる。
すると、「今ここ」にいる自分にも、安心できるようになっていきます。

この先も、働き方や人生に“答え”はないかもしれません。
でも、問いを持ち続けていくことはできます。
そしてその問いが、「自分の人生を、自分でつくっている」という感覚につながっていく。

あなたの今ある選択肢が、
これからもゆるやかに広がっていきますように。
会社を辞めるだけが自由じゃない。そんな日常を、自分で選んでいけますように。

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法人化して感じる違和感と向き合う。これから整えていくべき、本当のこと

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「法人化したのに、なんだか手応えがない…その理由」

会社をつくる。

それって、やっぱりすごいことだと思います。

「ようやく一歩踏み出せた」

「これで本格的にスタートできる」

そんなふうに感じながら、登記を終えて、口座を開設して、名刺に「代表取締役」と入れてみる。

けど、ふと立ち止まる瞬間も出てくるんですよね。

「で、これから何すればいいんだろう?」って。

実際、今年に入って法人化されたクライアントさんもいらっしゃいました。

これまでコツコツと副業を積み上げてきて、いよいよ自分のやりたいことを、自分の看板で始めていこうっていうタイミング。

話を聞いていて感じたのは、

「法人化」って、たしかにひとつの節目ではあるけれど、それで何かが完了するわけじゃないんですよね。

むしろ、ここからが本番。

どう事業を育てていくのか、どんな価値を届けていくのか、いろんな問いが目の前に出てきます。

「法人にしたのに、急に仕事が増えるわけでもない」

「責任は大きくなったけど、やるべきことはまだモヤっとしてる」

そんな感覚、あって当然だと思います。

それでも大丈夫。

大事なのは、「法人にしたこと」そのものよりも、

これからどう使っていくか、どう活かしていくかなんですよね。

ここから先は、「自分のやりたいこと」と「ビジネスとして続けること」をつなげていくフェーズ。

法人化は、そのための土台。

これから先の動き方次第で、ぐっと事業に広がりが出てきます。

「変わったような、変わってないような。でも確実に動き始めていること」

「法人化したけど、何か大きく変わった気がしない」

そんな声を聞くことがあります。

たしかに、普段の仕事内容やサービス内容が急に変わるわけじゃありませんし、目に見える変化は少ないかもしれません。

でも、実は静かに、だけど確実に、いろんなことが変わってるんですよね。

たとえば——

信頼感が変わる

取引先や見込み顧客から見ると、「個人」ではなく「会社」として仕事をしているというだけで、ひとつフィルターが変わります。

もちろん、法人=信頼できる、という単純な話ではないんですが、法人であることが信用の土台として働く場面は少なくありません。

ぼく自身も、知人のコーチから「この案件は企業との契約になるから、法人じゃないと厳しい」と声をかけてもらい、受託の窓口として法人格があったことで参加できたことがありました。

特に大きめの企業になると、個人事業主とはそもそも契約ができない、というケースもあるんですよね。

だからこそ、「法人化したから急に信頼される」ではなくて、**法人であることで入り口に立てる場面が増える”**と考えるといいかもしれません。

お金の扱いが変わる

これは良くも悪くも、ですね。

法人にすると「自分のお金」と「会社のお金」がはっきり分かれるようになります。

経費や報酬の扱い、税金の仕組み、キャッシュフローの見方もガラッと変わります。

ぼくの場合も、法人化したことでお金の流れをより客観的に見るようになりました。

「これは事業の支出として妥当か?」「手元に残るキャッシュはいくらか?」といった視点で見る癖がついて、自然と数字に強くなっていった感覚があります。

あわせて、税金の仕組みについても理解が深まり、リアルな気づきが増えたのを覚えています。

最初はちょっと面倒に感じるかもしれませんが、逆に言えば、ビジネスとしての自覚が育つタイミングでもあるんですよね。

「思ったよりお金が残らないな」とか「税金ってこういう仕組みなんだ!」と、これまでとは違う視点でお金と向き合うようになる

これは、法人化したからこそ得られる感覚かもしれません。

事業との向き合い方が変わる

副業のときは「できるときに」「好きな範囲で」というスタンスだった人も、法人化をきっかけに、

「これを続けていくにはどうしたらいいんだろう?」と視点が変わってきます。

ビジネスモデルや収支のバランス、事業としてのをどう育てていくか。

これまで感覚でやってきた部分が、少しずつ設計に変わっていく。

言い換えると、「想い」だけでなく「戦略」も必要になるタイミングなんです。

「肩書きだけじゃ変わらない。動き出すために必要なこと」

「法人にすれば、もっと仕事が増えるかな」

「ちゃんとした会社として見てもらえたら、安心して依頼されるようになるかも」

そんな期待を持つのは、すごく自然なことです。

実際、これまで副業で頑張ってきた人ほど、「ここからもっと広げていきたい」という気持ちが強くなるものですし、ぼくもそうでした。

でも、ここでひとつ立ち止まって考えてみてほしいんです。

法人化しただけで、ビジネスが勝手に成長することは、残念ながらないんです。

もちろん、法人格があることで信頼の土台ができたり、できる仕事の幅が広がったりするのは確かです。

でもそれはあくまでができたということであって、中身のビジネスが自動的に育つわけではありません。

むしろ、スタートラインに立ったからこそ、これまでよりも一歩深く、「自分の事業とどう向き合っていくか」が問われるフェーズに入っていきます。

たとえばこんなふうに、心のどこかで感じていませんか?

名刺に「代表取締役」と書かれていても、どこかしっくりきていない

「法人を立てたんです」と言うのが、ちょっと気恥ずかしい

自分のサービスを説明するたびに、「本当にこれでいいのかな」と不安になる

もしそうだとしたら、大丈夫です。それは、自然な反応です。

新しいステージに進んだとき、人はみんな少し戸惑うものだから。

ただここで大切なのは、「やりたいこと」を「続けられる形」にするという視点を持つこと。

どれだけ素敵な理念や想いがあっても、ビジネスとして続いていかなければ、届けたい人に届きません。

法人化は肩書き形式を整えることじゃなく、

自分の提供したい価値を、より確かな形で届けるための一歩

だからこそ、「法人化=完成」ではなく、

**「法人化=ようやく本番が始まるところ」**と捉えて、

少しずつ、中身を育てていければそれで十分なんです。

「“代表”になったあなたへ。まず整えておきたい3つのこと」

法人にしたあと、まず感じるのは「やることが多いな」という感覚かもしれません。

経理、契約、SNSの発信、商品の見直し。

やりたいことも、やらなきゃいけないこともたくさんあるけれど、全部いっぺんにはできない。

だからこそ大事なのは、「優先順位をつける」こと

特に最初の数ヶ月は、より強固な土台を整えることに力を注いでみてほしいんです。

ここでは、法人化した後に見直しておきたい3つのテーマをお伝えします。

ビジネスモデルの整理:どうやって売上を立てるか?

「これから何をしていくか?」だけでなく、

**「その活動がどうやって売上につながるか?」**まで見通せるようになることが大切です。

たとえば——

単発の講座で終わってしまわないようにするには?

継続的に収益が入る仕組みをどう作るか?

誰に・どんな価値を届けるのかが、きちんと整理されているか?

商品やサービスを「やりたいこと」だけで組み立てるのではなく、

続けられる形にしていく視点が必要になってきます。

キャッシュフローの把握:お金の動きをつかむ

「法人にしたけど、思ったよりお金が残らない」

これは本当によくある話です。

最初は見えづらいですが、売上の中から何が出ていって、何が残るのかをちゃんと見ていく必要があります。

そのためにおすすめなのは、まずは「ざっくりでもいいから毎月の収支を数字で把握する」こと。

利益が出るかどうか以上に、

「お金の動きがわかるようになる」ことの方が、最初のうちは大事だったりします。

「どの数字を把握しておけば上手くいくか」、あなたなりのダッシュボードを整備するのがこのタイミングです。

この感覚が掴めると、その後の意思決定がぐっとスムーズになります。

たとえば「ここは経費で出していいけど、ここはまだ早いかもな」といったことも、根拠のある感覚で判断できるようになるんですよね。

数字は、意外と自分の思考を整理してくれるんです。

事業の「らしさ」を整える:自分らしい軸をつくる

法人化すると、「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが強くなる人が多いです。

でも実は、「らしさ」が失われるのもこの時期に起こりやすいんですよね。

大切なのは、「何をやるか」だけでなく、

**「なぜそれをやるのか」「どんな人に届けたいのか」**を自分の言葉で話せるようになること。

肩書きや形式に引っ張られすぎず、自分の中にあるを言葉にする

それがあると、迷ったときにも立ち戻れるし、周りとの関係性もグッと築きやすくなります。

ここまでの取り組みは、どれも立ち上げ期の基盤づくりです。

一つひとつを完璧にする必要はありません。

でも、焦らず丁寧に向き合っていくことで、

「なんとなくやってる」から「意図して動いている」に変わっていきます。

それが、ビジネスとしての自信につながっていくんです。

「次のステージに立ったあなたへ」

法人化は、たしかに大きな一歩です。

でもそれは「完成」の証ではなく、

ここから本格的に事業を形にしていくフェーズに入ったという合図のようなもの。

ここから先は、「想い」と「しくみ」の両方を少しずつ育てていく時間です。

そのときに、自分にこんな問いを投げかけてみてください:

この商品・サービスは、続けて提供できるか?

お金の流れは、把握できているか?

この事業は、自分らしさを表現できているか?

判断は、なんとなくじゃなく根拠のある感覚でできているか?

これらの問いに「今はまだ答えられないかも」と思っても大丈夫。

むしろ問い続けて、少しずつ創り上げていけばいいんです。

それこそが、あなただけのビジネスの形になっていきます。

「なんとなくやっている」から「意図して動いている」へ。

その変化が、ビジネスとしての自信をつくっていきます。

法人化はゴールじゃない。

でも、確かにあなたは、次のステージに立っている。

ここから始まる事業の旅を、ぜひあなたらしく、たのしんでください。

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上司と合わなくても、仕事は進められる。7つの実践ヒント

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1. はじめに:価値観が合わない上司との仕事は、なぜこんなに疲れるのか?

中間管理職というポジションは、「上」からも「下」からも視線が集まる立場です。
そんな中で、上司との価値観が合わないというのは、仕事の進め方だけでなく、日々のちょっとしたやり取りにまで摩擦が生まれやすくなります。

たとえば――
「上司は社外アピールや自己保身ばかりで、実務や責任は部下任せ」
「こちらが丁寧に積み上げてきたことも、“見え方”の一言であっさり変えられてしまう」
「自分が信念を持って取り組んでいるチームマネジメントに口を出してくる」

こういった違和感が続くと、「この人の下で仕事を続けていて、大丈夫なのかな?」という気持ちになってくるものです。
ただ、そう感じながらも、現実としては“すぐに環境を変えることはできない”という制約もありますよね。

そして、そんな状況でもなお、「自分のチームのメンバーは守らなくてはいけない」という責任もある。
理不尽な影響が部下に及ばないように、間に立って調整することも少なくないはずです。

では、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、そんな葛藤を抱える中間管理職の方に向けて、価値観の合わない上司との関係性を、仕事を進めるための“戦略的な関わり方”に変えていくヒントをご紹介していきます。

目指すのは、無理をしない関係性。
自分の力を発揮しながら、上司との関係で必要以上に疲弊しない働き方です。

2. 合わない上司を“敵”にしないために知っておきたい前提

上司との価値観がどうしても合わないと感じたとき、つい「どう付き合っていくか」よりも「どう距離を取るか」に意識が向いてしまうことがあります。
とくに、自分なりに誠実に仕事をしているほど、上司の振る舞いに対して怒りや失望を感じやすくなりますよね。

けれど――
ここで一度、視点を少しだけ変えてみてはどうでしょうか?

価値観が合わない相手とは、どうしても**「敵対構図」を描いてしまいがちですよね。
そうなると、あらゆる出来事が対立構造に見えてしまいます。
その状態では、どれだけ正しい判断をしても、対話の糸口が見えなくなっていく。
一方で、「価値観が違う」ことを前提にしたうえで、「どう上司をマネジメントしていくか?」という問いを持つことで、打ち手の幅は大きく広がっていきます。

そしてもうひとつ、大切な視点があります。

それは、「合わない上司と成果を出す経験」は、あなたのキャリアにおいて強い武器になる、ということ。
どんな職場でも“相性の良い上司”に恵まれるとは限らないからこそ、「合わなくても成果を出せる力」は中間管理職としての信頼や選択肢を増やしてくれます。

この記事は、「上司と仲良くなる方法」ではありません。
自分をすり減らさずに、必要な成果を出し、チームを守る。
そのために上司を“味方として戦略的に活かす”というアプローチを提案するものです。

ではここからは、実際にどんな関わり方ができるのか。
次の章では、そのヒントとなる「7つの調整ポイント」をご紹介します。

3. 7つのちょっとした“上司マネジメント”

ここからは、価値観が合わない上司に対して、あなた自身の信頼と成果を守りながら関係性を構築していくための、「7つの調整ポイント」をご紹介します。

いずれも、相手に深入りせずに自分の「関わり方」を少し調整することで、上司を戦略的に活かすという視点から整理しています。

① 上司の「好きなこと」「得意なこと」を観察する

価値観が違っても、上司が自然と動きやすい方向性を見つけておくことで、無駄なストレスを減らすことができます。
たとえば「外向けの発信が好き」「数字に強い」「〇〇の分野には興味がない」など、意外と分かりやすい傾向があるはずです。

どこで手が止まるのか、どこで反応が良くなるのか――観察は最高の準備です。

② 上司の成果に「乗っかる」形で提案してみる

たとえ上司が自己アピール型であっても、「その人が喜ぶ枠組み」の中に、自分のアイデアや動きを忍ばせることは可能なはずです。

あえて「うまく使わせてもらう」くらいの感覚でいくと、無駄にぶつからずに済みます。

③ 自分の専門性で“補完する”視点を持つ

真逆のタイプだからこそ、「相手が苦手なことに自分が強い」場面があるはずです。
そのギャップを責めるのではなく、補完し合うチームとして位置づけることで、対立を連携に変える糸口が見えてきます。

主導権を取ろうとするのではなく、「あなたがやらないところ、私がやりますね」とスッと差し出すことで、上司からの信頼というより、“任せていい人”としての立ち位置を得られる可能性があります。

④ 上司の興味に寄せた言葉で話す

同じ内容でも、「どんな言葉で伝えるか」で反応は変わります。
たとえば、ロジック重視の上司には「データで示す」、印象重視の上司には「外からどう見えるか」を意識して話す。
相手の“聞きたいモード”に合わせて言葉を選ぶだけで、歯車が噛み合う瞬間が生まれやすくなります。

⑤ あえて“確認”の頻度を上げる

相手が信頼できないと感じると、つい「任せてもらえればうまくやるのに」と思いがちですが、あえてこまめに確認を取ることで、主導権を握られずに仕事を進めることもできます。

確認は、「共通認識」を作るためのもの。
あらかじめズレを防ぐことで、無用な干渉を減らすことができます。

⑥ 上司の「困っていること」を探る

上司の余裕のなさや理不尽な振る舞いの裏には、本人なりの課題やプレッシャーが隠れていることもあります。
それを“人間的に理解する”ことで、少しだけ見方が変わることがあります。

こちらから歩み寄るのではなく、「何を抱えているのか」を把握しておくだけでOK。
それが上司を活かすための切り札になるかもしれません。

⑦ こまめに“振り返り”を入れて微調整する

関係構築は一度やって終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。
「このやり方、最近うまくいってないかも」と気づいたときに、振り返りができる人こそ、真に関係性をコントロールする力がある人。

毎週・毎月の振り返りタイミングで、「上司との関係性」も少しだけ俯瞰して見る習慣を持つことが、あなたの負担を減らすことにもつながります。

この7つの調整ポイントは、すべて**「相手に深入りせずに、自分の動き方を変える」**ことで、状況を前に進めていくためのヒントです。

次のセクションでは、こうした調整をどうキャリアと結びつけるかをまとめていきます。

4. まとめ:合わない上司の元でも仕事はうまく進められる

「上司とうまくいかない」という悩みは、誰にとっても心の重荷になりやすいテーマです。
とくに価値観が合わない上司との関係は、感情的にも論理的にも消耗しやすく、「どうにかしたいけど、どうにもできない」と感じてしまうこともあるでしょう。

でも実は、「関係を良くする」ことだけが解決ではありません。
この記事でご紹介した7つの調整ポイントはすべて、相手に深入りせずに、自分の関わり方を少し調整するだけで、仕事を前に進める方法です。

そしてこれは、“いい人間関係をつくる”ことではなく、自分の力を発揮し続けるための実践的な戦略でもあります。

上司との価値観のズレを受け入れることは難しくても
合わない上司の元でも仕事の成果を出せる動き方は、あなたのキャリアにとって大きな財産になります。

大事なのは、「上司とうまくやること」ではなく、
「どんな上司の下でも、自分の軸を持って働けること」

その力がある人は、どこに行っても強い。
あなたも、きっともうその一歩を踏み出しているはずです。

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昇進・昇格したあなたへ『何から始めればいいの?』迷ったときに立ち返る5つの視点

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はじめに:昇進はゴールではなくスタート

年度初め。

この時期、新しい肩書きでスタートを切った方も多いのではないでしょうか。

昇進や昇格は、これまでの努力が認められた大きな節目です。

でも同時に、「ここからが本当のスタートだ」と実感する瞬間でもあります。

今年度も、ぼくのコーチングを継続してくださっている方の中に、昇進・昇格を迎えた方が何人かいらっしゃいます。

新しい役割に向き合う姿はどの方も本当に真摯で、ぼく自身も毎回刺激を受けています。

実はこのブログも、その中のお一人とのセッションがきっかけで書いています。

初めて部下を持つことになり、「自分に人を育てることができるのか?」という問いに向き合っていた方です。

昇進したばかりの頃って、「とにかくミスなく回さないと」とか、「まずは自分がちゃんとやらないと」って気持ちになりやすいですよね。

ぼくもこれまで何人も、そんな気持ちで新しい役割に飛び込んでいく方たちを見てきました。

その姿勢はすばらしいし、責任感のある証拠。

でも、一つだけ視点を足すとしたら──

**「チームとして成果を出すには、自分一人では限界がある」**ということです。

なりたて管理職がはまりやすい「3つのトラップ」

① ✋ これまでどおり、自分で動いたほうが早いと思ってしまう

→ 手を動かせば成果は出る。でも、それを続けるほど部下は育たない。

② 📈 プレイヤーとしての延長線上で成果を出そうとする

→ 数字や結果で目立とうとするが、それはマネジメントの本質とはズレている。

③ 🧠 部下のことより、自分のことでいっぱいいっぱいになる

→ 「まず自分がちゃんとしなきゃ」と思いすぎて、部下との関係づくりが後回しに。

これ、全部「自分のがんばり」で何とかしようとしている状態なんですよね。

でも、役割が変わった今こそ、目を向けてほしいことがあります。

それは──

部下と一緒に成果を出していく、という視点です。

たとえば、自分がいないときもチームがちゃんと動いていたり、

誰かが「そのやり方、前に○○さんから学んだんです」とあなたのことを言ってくれたり。

そういう“じわっとくる成果”って、ほんとうに嬉しいんです。

だからこそ、今このタイミングで「育てる」というテーマに目を向けることは、

マネージャーとしてのスタートラインに立った今だからこそ、意味のあることだと思っています。

このブログでは、「育てるマネジメントって、どうやって始めればいいのか?」

そのヒントをお届けしていきます。

自分らしい関わり方を見つけたいと思っているあなたに、少しでも参考になれば嬉しいです。

1️⃣ 自分でやった方が早い、の壁

「これ、教えるより自分でやった方が早いな…」

管理職になって最初にぶつかる壁が、まさにこの感覚かもしれません。

チームとして成果を出したいと思っていても、現場は待ってくれません。

納期はあるし、質も落としたくない。

だからつい、手を出してしまう。自分でやった方が早いから。

しかも、切羽詰まれば詰まるほど、頭ではわかっていても思うようにいかないんですよね。

•報告の期限が明日まで!

•月末に売上が全然足りてない!

•プレゼンのクオリティがどうしても上がらない!

こういうとき、「育てる」なんて余裕がないよ…って思うのも、正直なところじゃないでしょうか。

「自分がいないと回らない」チームができあがる

もしあなたがずっとそのやり方を続けていたら、

メンバーは「困ったら上司に頼めばいい」「任せても結局自分で直される」と感じるようになります。

その結果、少しずつ自分で考える力や、自分で動く責任感が薄れていってしまうんです。

これって、長い目で見るとけっこう大きなリスクですよね。

でも、それでも少しずつ視点をずらしていくことができれば、

“自分がやる”というスタイルから抜け出していくことができます。

じゃあ任せるって、どうすればいいの?

「任せよう」と思っても、最初は勇気がいります。

でも、いきなり“全部”任せなくていいんです。

まずは「ここまでは任せる」という範囲を決めること。

その上で、うまくいかなかったときにどうフォローするかもセットで考えておく。

この“準備付きの任せ方”が、育てるマネジメントの最初の一歩になります。

そして大事なのは、「どうだった?」と振り返る時間をつくること。

これは、任せっぱなしではなく、関わり続ける姿勢を伝えることにもつながります。

任せることは、期待を伝えることでもある

人は、自分に期待されていると感じたときに一歩前に出ます。

逆に「どうせ無理だろうな」と思われていると、それ以上がんばろうとしません。

だからこそ、「やってみて」「任せるね」と伝えることは、

**「あなたならできると信じてる」**というメッセージにもなるんです。

もちろん、うまくいかないこともあります。

でも、そこで一緒に考え、成長のプロセスに付き合うことこそ、マネジメントの醍醐味かもしれません。

あなたがやった方が早い。

でも、あなたが“任せた先”にしか生まれない成長がある

それを信じて、最初の一歩を踏み出してみませんか?

2️⃣ 1on1は“管理”じゃなく“関係づくり”

昇進後にまず始めたほうがいいアクションは何ですか?

そう聞かれたら、ぼくは迷わずこう答えます。

「1on1をやってみてください」と。

メンバー一人ひとりと、落ち着いて話す時間を取ること。

これは、これからのチームづくりの土台になります。

でも、1on1ってやったことがないと、ちょっとハードル高く感じますよね。

「何を話せばいいんだろう…」とか

「ちゃんとアドバイスできる自信がない…」とか。

大丈夫です。

最初の1on1でいきなり深い話をしようとしなくてOKです。

むしろ、“管理”じゃなく“関係”をつくる場なんだと考えてもらえたら十分です。

聴くことから始まる信頼関係

1on1でいちばん大切なのは、相手の話を“ちゃんと聴く”こと。

アドバイスすることでも、管理することでもありません。

「最近どう?」というシンプルな問いからでも大丈夫。

相手の口から出てくる言葉を、途中でさえぎらず、評価せずに聴く。

これだけで、少しずつ「この人には話してもいいかも」という空気が生まれてきます。

上司が“ちゃんと聴いてくれる人”であることの価値

メンバーにとって、上司が「ちゃんと話を聴いてくれる人」かどうかは、とても大きな意味を持ちます。

ここでの“ちゃんと”には、ただ聞いているのではなく、評価せずに、途中で遮らずに、最後まで耳を傾けてくれるというニュアンスが含まれます。

仕事で判断に迷ったとき、誰かとの関係に悩んだとき。

そんなときに「この人なら話してもいいかも」と思える存在がいるだけで、人は安心し、前を向いていけるんです。

あなたが1on1を通じて「この人は大丈夫」と思ってもらえる存在になれたら、

それだけでチームの安心感と自走力は、確実に上がっていきます。

完璧な質問なんていらない

「どんな質問をすればいいですか?」と聞かれることもありますが、

正解の質問なんて、実はありません。

大事なのは、あなたが相手に関心を持っているかどうか。

その気持ちがあれば、多少ぎこちなくても1on1は成立します。

たとえば:

•「最近、仕事で面白かったことってある?」

•「いま、ちょっとしんどいなって思ってることってある?」

•「このチームで、もっとこうなったらいいなって思うことある?」

ちょっとした問いでも、関係性を深めるきっかけになります。

まずは月1回でも、10分でもいい。

1on1を始めてみることで、チームの空気は確実に変わりはじめます。

そして気づいたとき、きっとこう思うはずです。

「チームって、ひとりひとりとの対話の積み重ねでできていくんだな」と。

3️⃣ “強み”からマネジメントするという視点

部下の育成というと、つい「どこが足りないか」「何を直すべきか」に目が向きがちです。

もちろん、改善点に気づいて支援することは大切ですが──

そればかりだと、本人のモチベーションが下がってしまうこともあります。

そんなときこそ、“強み”に目を向けるという視点が力を発揮します。

弱点を補うより、強みを活かす方が伸びる

人は、自分の得意なことをやっているときに、自然とエネルギーが湧いてきます。

集中力も高まるし、周囲にも良い影響を与えやすくなる。

それはきっと、あなた自身も経験があるはずです。

だからこそ、上司として「この人は何が得意なのか?」「どんなときにイキイキしてるのか?」に目を向けて観察すること

それが、育成の入り口になります。

では、具体的にどこを見ればいいのか?

ぼくがよくお伝えしているのは、こんな3つの観点です。

その人が楽しそうに取り組んでいること(=好き)

周囲が自然とその人に頼っていること(=任せたくなる)

結果が出ていて、周囲からも評価されていること(=成果)

この3つが重なるところに、その人の“強み”が隠れていることがよくあります。

しかもそれは、目に見えるスキルだけじゃなく、関わり方や姿勢、仕事へのスタンスのような「その人らしさ」にも現れるんです。

「役割」ではなく「可能性」で関わる

マネージャーになると、つい“役割”で人を見てしまいがちです。

「あの人は経理だから数字まわり」「彼は中堅だから後輩指導」など。

でも、強みで見るということは、「この人にはこんな可能性があるかもしれない」という視点を持つということ。

実際にやったことがなくても、「向いてそう」と思えることを小さく任せてみることで、思わぬ成長につながることもあります。

強みを活かすチームは、自走する

強みを起点に任せられたメンバーは、「自分の力が活かされている」と感じやすくなります。

その実感が、自信と行動につながり、少しずつチーム全体の流れが変わっていきます。

こうした経験を積み重ねることで、メンバーの「自立」や「主体性」が育っていきます。

自分の意思で動ける人が増えると、やがてチーム全体が“自走”しはじめる。

「この人なら、あれを任せてみようかな」

そんな小さな選択の連続が、自走できるチームを育てていくんです。

強みを見る視点は、マネジメントにおいてとても優しい眼差しです。

それは、「あなたを見ているよ」「可能性を信じてるよ」というサインでもあります。

あなたがその視点を持つだけで、メンバーの表情がふっと明るくなる瞬間が、きっとあるはずです。

4️⃣ 自分の“理想の上司像”を棚卸ししてみる

部下を育てたい。

でも、自分はどう関わればいいのか、正解がわからない。

そんなときこそ、「自分がどんな上司でいたいか?」を考えてみることがヒントになります。

難しく考えなくても大丈夫です。

過去をちょっとだけ振り返ってみるだけでいいんです。

「この人みたいになりたい」と思った上司は誰でしたか?

•どんな関わり方をしてくれていましたか?

•どんな言葉が印象に残っていますか?

•自分がどんなふうに変わっていったか、覚えていますか?

あなた自身が成長したと感じた瞬間には、きっと誰かの“関わり”があったはずです。

そして大事なのは、その人のすべてを真似しようとしなくていいということ。

完璧に理想的な人なんて、きっといません。

でも、「あのときの言葉が嬉しかったな」「あの接し方は印象に残ってるな」

そんな“ひとつひとつの部品”のような要素を、自分なりに切り取って取り入れていけばいいんです。

そうやって、少しずつ自分だけのマネジメントスタイルをつくっていけばいい。

正解を探すのではなく、「自分の軸」を持つこと

マネジメントに“正解”はありません。

でも、「自分がどんな上司でいたいか」という軸があると、

迷ったときにもブレにくくなります。

•部下にどんなふうに関わりたいか

•どんなチームをつくりたいか

•自分がどんなふうに信頼されたいか

言葉にしてみることで、自分のマネジメントスタイルが少しずつ見えてきます。

育てるマネジメントは、他人のマネをすることじゃない。

あなた自身の言葉と行動で、少しずつ形づくられていくものです。

だからまずは、自分の過去を棚卸しして、

「自分が大切にしたい関わり方」を見つけるところから始めてみませんか?

5️⃣ 育成に“正解”はない

ここまで読んで、「なるほど、とは思うけれど…」と感じている方もいるかもしれません。

現場は忙しいし、余裕なんてない日もある。

ちゃんとやれている実感が持てないまま、毎日が過ぎていく。

そんな中で、「育てるマネジメント」なんて言われても、うまくできる気がしない──

そう感じるのも、すごく自然なことです。

育成は、正解を目指すものじゃない

マネジメントって、“うまくやろう”と思えば思うほど、プレッシャーが増します。

でも実際は、育成に「これが正解!」という唯一の答えなんてありません。

相手も状況も日々変わっていく中で、

あなた自身も試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ形をつくっていくしかない。

ときには遠回りに感じることもあるけれど、

そのプロセスこそが、あなたのチームを育てていく時間になります。

大切なのは、「関わろうとする意志」

うまくいくかどうかよりも、

何より大切なのは、**「部下と関わろうとする意志があるかどうか」**です。

忙しい中でも、少し時間を取って話を聴こうとする。

うまく伝わらなくても、また別の角度で伝えようとする。

任せたことに口を出したくなっても、信じて見守ろうとする。

その積み重ねが、メンバーに伝わっていきます。

「ちゃんと見てもらえている」「自分のことを気にかけてもらえている」

そんな実感が、行動を変えていくんです。

あなたのマネジメントには、あなたらしさがあっていい

ここまで読んでくれたあなたには、きっと「いいマネジメントをしたい」という思いがあるはずです。

その気持ちがある限り、たとえ迷いながらでも、きっとチームはついてきてくれます。

大事なのは、正しくやろうとしすぎないこと

完璧じゃなくていい。あなたらしさがある関わり方こそが、チームの空気をつくっていきます。

育成は、ゆっくりでいいんです。

関わる中で、お互いが育っていけばいい。

それが、あなたのチームの、これからの土台になっていきます。

🧭 おわりに:あなたらしい育成の一歩を

ここまで、「育てるマネジメント」をテーマに、5つの視点をお届けしてきました。

✅ 自分でやった方が早い、の壁を超える

✅ 1on1は“管理”ではなく“関係づくり”

✅ 強みからマネジメントするという視点

✅ 自分の理想の上司像を棚卸ししてみる

✅ 育成に“正解”はない

どれも、すぐに完璧にできるものではありません。

でも、どれも「意識して関わろう」と思ったその瞬間から、

少しずつチームの空気は変わっていきます。

昇進・昇格は、ゴールではなく新しいスタート。

大変なことも増えるけれど、その分だけ“育てる喜び”も手にしていけるはずです。

だからこそ、正解を探すのではなく、

「自分だったら、どんなふうに関わりたいか?」を問いながら、

あなたらしい育成の一歩を踏み出してみてください。

その一歩が、未来のチームをつくっていきます。

今日もその歩みを応援しています

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