部下に「やりたいこと」を聞いたのに、手応えが残らなかったときに起きていること

はじめに|ミッションと「やりたいこと」を重ねようとしたときに起きること

とある経営者のクライアントさんとのコーチングセッションで、
会社のミッションと、社員一人ひとりの
「やりたいこと」や「成長目標」を
どう近づけていくか、という話題になりました。

組織が向かおうとしている方向と、
そこで働く人それぞれの関心や成長が、
少しずつ重なっていくこと。
そして、社員自身が
「この会社に所属していること」を
自分の成長や自己実現につながるものとして
感じられている状態。

この考え方については、
コーチとしてさまざまな立場のビジネスパーソンと
対話を重ねてきた中でも、
また、かつて自分自身が会社員だった頃、
最もパフォーマンスが高かった時期を振り返ってみても、
強く共感するところがあります。

一方で、
この考え方を実際のマネジメントや
日々のコミュニケーションに落とし込もうとすると、

「想定と違うな」と立ち止まりそうになることがあります。

たとえば、

組織が向かおうとしている方向と、社員一人ひとりの関心や成長を重ねていくきっかけとして、
「どんなことをやっていきたい?」
と問いを投げかけてみたとき。

返ってくる答えが、
自分の中で思い描いていたものと
少し違って感じられることはないでしょうか。

歯車が噛み合っていないような、ちょっとした無力感が残る。

この記事では、
こうした場面を
「質問がうまく機能しなかった」と片づけるのではなく、
その場で何が起きていたのかを、
コーチの視点から少し外側に引いて
眺めてみたいと思います。

第1章|「どんなことをやっていきたい?」という問いを投げたとき

組織の方向性と、
社員一人ひとりの関心や成長を重ねていこうとするとき、
この問いはとても自然に浮かんできます。

「どんなことをやっていきたい?」

相手を尊重しているつもりもあるし、
急かしているわけでもない。
むしろ、その人自身の考えを知りたいという
素直な関心から出てくる問いです。

実際、その場のやり取り自体は、
表面的にはきちんと成立しています。
質問が投げかけられ、
それに対して、言葉が返ってくる。

ただ、その返答を聞いた瞬間に、
管理職の側にだけ、
小さな違和感が残ることがあります。

たとえば、こんな答えです。

「まだ、そこまで考えたことがなくて……」

あるいは、

「今は、とにかく目の前の仕事を
 しっかりやりたいと思っています」

または、

「会社に求められていることを
 ちゃんとやっていきたいです」

どれも、
失礼でもなければ、
的外れでもありません。
むしろ、真面目で、無難で、
その場としては“正しい”答えにも聞こえます。

それでも、どこかで
歯車が噛み合っていないような感覚が残る。

「聞きたかったのは、
 “あなた”がやりたいことだったんだけどな

そんな思いが、
言葉にならないまま、
胸の内に残ることがあります。

このとき起きているのは、
答えが足りない、ということではありません。

返ってきた言葉は、

今の関係性の中で、
その人が安心して出せる”ちょうどいい答え”
だった、というだけです。

未来の話を避けた、というよりも、
未来の話をするには、
まだ少し距離があった。

あるいは、
その問いが
「考えを広げる問い」ではなく、
「評価される問い」として
受け取られていたのかもしれません。

もちろん、その社員さんが
未来のことにきちんと向き合っていない、
ということもあるかもしれません。

ここで大事なのは、
このやり取りを
「問いが悪かった」「引き出せなかった」
と整理してしまわないことだと思います。

コーチの立場からこの場面を眺めると、
ここで表に出ているのは、
その人の意欲や主体性ではなく、

今、この関係性の中で
どこまでの話が”安全”と感じられているか
という情報です。

問いは、

答えを引き出すために投げられたけれど、
実際には、

関係性の現在地を
そのまま映し出している。

だからこそ、
あの「歯車が噛み合っていない感じ」は、
何かが足りなかったサインではなく、

次にどこを扱えばいいのかを
教えてくれている感覚

なのかもしれません。

第2章|対話を少し外側から眺めてみると

対話の渦中にいるとき、
管理職の意識はどうしても
「何を聞くか」「どう返すか」に向きがちです。

けれど、
あの歯車が噛み合っていないような感覚が残った場面を、
少しだけ外側から眺めてみると、
違うものが見えてきます。

ぼくが、歯車が噛み合っていないような感覚がある時に
注目するのは、
返ってきた答えの中身そのものではないことが多いです。

どちらかというと

安心して回答できていない状態に、
注意が向けられます。

こうした要素は、
本人が意識してコントロールしているというよりも、

その関係性の中で自然に立ち上がってくるもの
であることがほとんどです。

たとえば、
未来の話になった瞬間に、
言葉が少し抽象的になる。
主語が「自分」から
「会社」や「求められていること」に
すっと移る。

あるいは、
考えながら話しているというより、
安全そうな言葉を
選びにいっているように感じられる。

それは、
考えていないからでも、
やる気がないからでもありません。

その距離感では、
そこまで踏み込まなくてもいい

と、身体が判断している状態
とも言えます。

また、
問いを投げた側が
評価する立場や、
何かを決める立場にあるとき、
本人にその意図がなくても、
場はわずかに緊張を帯びます。

このとき、問いは
「考えを広げるためのもの」ではなく、

「どう答えるのが無難か」を
探らせてしまうことがあります。

人は、
安心していない場で
わざわざ不確かな未来の話を
深く掘り下げようとはしません。

だから、
対話が浅くなったり、
言葉が無難になったりするのは、
個人の資質や姿勢の問題というよりも、

場と関係性がそうさせている

と捉えることができます。

ここで大切なのは、
この場面を通して、

今はどんな話題までなら安心して扱えるのか
どんな前提があれば、もう一歩踏み込めそうなのか

そうした情報が
静かに立ち上がっている、
という点に目を向けることです。

対話を少し外側から眺めると、
見えてくるのは

関係性の状態。

そして、
その状態が見えてきたとき、
次にどんな関わり方を選ぶか。
その選択肢が、
少しだけ増えていきます。

第3章|「やりたいこと」は、引き出すものなのか

ここまで見てきたように、
「どんなことをやっていきたい?」という問いが
想定どおりに展開しない場面では、
問いそのものよりも、
その場の関係性や状態が
大きく影響していることがあります。

このとき、
管理職や関わる側が
無意識に考えてしまうのが、
「どうすれば、やりたいことを引き出せるのだろうか」
という問いです。

けれど、
コーチの立場から対話を見ていると、
少し違う見え方をすることがあります。

「やりたいこと」は、
質問によって
どこかから取り出すもの、
というよりも、

状態が整った結果として、
自然に輪郭を持ってくるもの

のように見えるからです。

安心して話せているとき、
評価される心配が薄れているとき、
今すぐ決めなくていいと
身体が感じているとき。

そうした状態の中では、
本人もまだ言葉にしきれていなかった関心や違和感が、
会話の途中で、
ぽつりと現れることがあります。

それは、
最初から明確な形をしているとは限りません。
• なんとなく気になっていること
• 最近、少し引っかかっている出来事
• 得意とも不得意とも言い切れない感覚

そうした断片が、
対話の中で少しずつ並び、
あとから振り返ったときに
「あれが、やりたいことの芽だったのかもしれない」
と見えてくる。

こう言った場面での
「やりたいことを聞く」という行為は、
答えを得るためというよりも、

その人の関心に、
ご本人が、そして組織が
踏み込む準備が出来ているかどうかを
確かめる行為である

と感じます。

だからこそ、
問いに対して
はっきりした答えが返ってこなかったとしても、
それは、
まだ言葉にする段階ではなかった。
あるいは、
その問いが向けられた文脈では、
そこまで踏み込む必要を
感じていなかった。

ただ、それだけのことです。

「やりたいこと」を
無理に言語化させようとすると、
対話はどこかで窮屈になります。

一方で、
今はどんな話題なら
安心して扱えるのか。
どんな前提があれば、
もう一歩、内側の話に近づけそうなのか。

そうした状態に目を向けていると、
結果として、
その人自身の言葉で語られる
関心や方向性が、
あとから立ち上がってくることがあります。

問いは、
答えを引き出すための
道具というよりも、

状態を確かめ、
関係性と文脈が
そこに踏み込めるかどうかを見極めるためのもの

そう捉えてみると、
「やりたいことを聞く」という行為の意味も、
少し違って見えてくるかもしれません。

第4章|関係性を少し調整すると、対話の質が変わる

ここまで見てきたように、
「やりたいこと」をめぐる対話が
思ったように進まない場面では、
問いの内容そのものよりも、
その場にある関係性や前提が
大きく影響しています。

では、
その関係性を「変える」必要があるのかというと、
必ずしもそうではありません。

多くの場合に起きているのは、
少しズレた前提のまま会話が進んでいる
という状態です。

たとえば、
• 今は決める場なのか、考える場なのか
• 評価が行われる文脈なのか、探索の文脈なのか
• 会社の話をしているのか、個人の話をしているのか

こうした前提が、
共有されないまま混ざっていると、
対話はどこか噛み合わなくなります。

このとき、
大きな働きかけをしなくても、
関係性を「少しだけ調整する」ことで、
対話の質が変わることがあります。

たとえば、
今すぐ結論を出す場ではないことを
あらかじめ共有する。
今日の話が、
評価や配置に直結するものではないと
言葉にしておく。

あるいは、
「正解を出す話ではなく、
 考えを並べる時間にしたい」
と、場の目的を揃える。

それだけで、
相手の話し方や、
言葉の選び方が
少し変わることがあります。

これは、
相手を変えたというよりも、

安心して話してもいい範囲が少し広がった

という変化です。

関係性の調整とは、今、
どこまでの話なら扱えるのか。
どんな前提が共有されているのか。

その輪郭を、
ほんの少し明確にすることです。

そうして場が整うと、
それまで語られなかった関心や違和感が、
自然と話題に上がることがあります。

「やりたいことを聞こう」と
力を入れなくても、
その人の言葉で、
少しずつ方向性が語られ始める。

その変化は、
劇的ではありません。
けれど、
対話の質としては、
確かに違うものになります。

関係性を扱うというのは、
相手の内面に踏み込むことではなく、

対話が行われている”場”を
丁寧に整えること

そう考えると、
管理職が担っている役割も、
少し違って見えてくるかもしれません。

第5章|問いが投げられる前から、対話は始まっている

ここまで振り返ってみると、
「やりたいことを聞く」という問いそのものが、
対話の成否を決めていたわけではないことが
見えてきます。

問いが投げられる前に、
すでに場には空気があり、
関係性があり、
共有されている前提があります。

その状態の上に、
問いが置かれる。

だから、
同じ問いであっても、
返ってくる言葉や、
対話の手応えは変わってきます。

歯車が噛み合っていないように感じたとき、
その原因を
「問いの選び方」や
「聞き方」に求めたくなるのは、
とても自然なことです。

けれど、
その違和感はもっと手前で
すでに形を持っていたようにも感じられます。

今は、
決める場なのか。
考える場なのか。

評価が関係する文脈なのか。
探索が許されている文脈なのか。

会社の話なのか。
個人の話なのか。

そうした前提が、
言葉にされないまま混ざっていると、
問いは自然と
「どう答えるのが無難か」を
探らせるものになります。

それは、
誰かが間違えたからではありません。
その場が、
そうした対話を生みやすい状態だった、
というだけです。

対話を扱うというのは、
相手の内面に踏み込むことでも、
正しい問いを探し当てることでもありません。

問いが投げられる前に、
どんな場が出来ているかに目を向けてみる

どこまでの話が扱われそうか。
どんな前提が共有されていそうか。
今は、どんな温度の時間なのか。

そこに意識が向くと、
問いの役割も
少し違って見えてきます。

問いは、
何かを引き出すためのスイッチというより、
すでに始まっている対話の流れを
そっと確かめるためのもの。

そう考えると、
思ったような答えが返ってこなかった場面も、
違う意味を持ち始めます。

それは、
失敗でも、停滞でもなく、

今の関係性や場の状態が
そのまま現れた一瞬

だったのかもしれません。

問いが投げられる前から、
対話は始まっている。

そう捉えてみると、
管理職として、
あるいは誰かと関わる立場として、
自分が向き合う対象も、
少し静かに、
広がっていくように感じられます。

相手の回答がつくる、
あなたの中の感覚には、
どんな意味があるでしょうか。

昇進・昇格したあなたへ『何から始めればいいの?』迷ったときに立ち返る5つの視点

はじめに:昇進はゴールではなくスタート

年度初め。

この時期、新しい肩書きでスタートを切った方も多いのではないでしょうか。

昇進や昇格は、これまでの努力が認められた大きな節目です。

でも同時に、「ここからが本当のスタートだ」と実感する瞬間でもあります。

今年度も、ぼくのコーチングを継続してくださっている方の中に、昇進・昇格を迎えた方が何人かいらっしゃいます。

新しい役割に向き合う姿はどの方も本当に真摯で、ぼく自身も毎回刺激を受けています。

実はこのブログも、その中のお一人とのセッションがきっかけで書いています。

初めて部下を持つことになり、「自分に人を育てることができるのか?」という問いに向き合っていた方です。

昇進したばかりの頃って、「とにかくミスなく回さないと」とか、「まずは自分がちゃんとやらないと」って気持ちになりやすいですよね。

ぼくもこれまで何人も、そんな気持ちで新しい役割に飛び込んでいく方たちを見てきました。

その姿勢はすばらしいし、責任感のある証拠。

でも、一つだけ視点を足すとしたら──

**「チームとして成果を出すには、自分一人では限界がある」**ということです。

なりたて管理職がはまりやすい「3つのトラップ」

① ✋ これまでどおり、自分で動いたほうが早いと思ってしまう

→ 手を動かせば成果は出る。でも、それを続けるほど部下は育たない。

② 📈 プレイヤーとしての延長線上で成果を出そうとする

→ 数字や結果で目立とうとするが、それはマネジメントの本質とはズレている。

③ 🧠 部下のことより、自分のことでいっぱいいっぱいになる

→ 「まず自分がちゃんとしなきゃ」と思いすぎて、部下との関係づくりが後回しに。

これ、全部「自分のがんばり」で何とかしようとしている状態なんですよね。

でも、役割が変わった今こそ、目を向けてほしいことがあります。

それは──

部下と一緒に成果を出していく、という視点です。

たとえば、自分がいないときもチームがちゃんと動いていたり、

誰かが「そのやり方、前に○○さんから学んだんです」とあなたのことを言ってくれたり。

そういう“じわっとくる成果”って、ほんとうに嬉しいんです。

だからこそ、今このタイミングで「育てる」というテーマに目を向けることは、

マネージャーとしてのスタートラインに立った今だからこそ、意味のあることだと思っています。

このブログでは、「育てるマネジメントって、どうやって始めればいいのか?」

そのヒントをお届けしていきます。

自分らしい関わり方を見つけたいと思っているあなたに、少しでも参考になれば嬉しいです。

1️⃣ 自分でやった方が早い、の壁

「これ、教えるより自分でやった方が早いな…」

管理職になって最初にぶつかる壁が、まさにこの感覚かもしれません。

チームとして成果を出したいと思っていても、現場は待ってくれません。

納期はあるし、質も落としたくない。

だからつい、手を出してしまう。自分でやった方が早いから。

しかも、切羽詰まれば詰まるほど、頭ではわかっていても思うようにいかないんですよね。

•報告の期限が明日まで!

•月末に売上が全然足りてない!

•プレゼンのクオリティがどうしても上がらない!

こういうとき、「育てる」なんて余裕がないよ…って思うのも、正直なところじゃないでしょうか。

「自分がいないと回らない」チームができあがる

もしあなたがずっとそのやり方を続けていたら、

メンバーは「困ったら上司に頼めばいい」「任せても結局自分で直される」と感じるようになります。

その結果、少しずつ自分で考える力や、自分で動く責任感が薄れていってしまうんです。

これって、長い目で見るとけっこう大きなリスクですよね。

でも、それでも少しずつ視点をずらしていくことができれば、

“自分がやる”というスタイルから抜け出していくことができます。

じゃあ任せるって、どうすればいいの?

「任せよう」と思っても、最初は勇気がいります。

でも、いきなり“全部”任せなくていいんです。

まずは「ここまでは任せる」という範囲を決めること。

その上で、うまくいかなかったときにどうフォローするかもセットで考えておく。

この“準備付きの任せ方”が、育てるマネジメントの最初の一歩になります。

そして大事なのは、「どうだった?」と振り返る時間をつくること。

これは、任せっぱなしではなく、関わり続ける姿勢を伝えることにもつながります。

任せることは、期待を伝えることでもある

人は、自分に期待されていると感じたときに一歩前に出ます。

逆に「どうせ無理だろうな」と思われていると、それ以上がんばろうとしません。

だからこそ、「やってみて」「任せるね」と伝えることは、

**「あなたならできると信じてる」**というメッセージにもなるんです。

もちろん、うまくいかないこともあります。

でも、そこで一緒に考え、成長のプロセスに付き合うことこそ、マネジメントの醍醐味かもしれません。

あなたがやった方が早い。

でも、あなたが“任せた先”にしか生まれない成長がある

それを信じて、最初の一歩を踏み出してみませんか?

2️⃣ 1on1は“管理”じゃなく“関係づくり”

昇進後にまず始めたほうがいいアクションは何ですか?

そう聞かれたら、ぼくは迷わずこう答えます。

「1on1をやってみてください」と。

メンバー一人ひとりと、落ち着いて話す時間を取ること。

これは、これからのチームづくりの土台になります。

でも、1on1ってやったことがないと、ちょっとハードル高く感じますよね。

「何を話せばいいんだろう…」とか

「ちゃんとアドバイスできる自信がない…」とか。

大丈夫です。

最初の1on1でいきなり深い話をしようとしなくてOKです。

むしろ、“管理”じゃなく“関係”をつくる場なんだと考えてもらえたら十分です。

聴くことから始まる信頼関係

1on1でいちばん大切なのは、相手の話を“ちゃんと聴く”こと。

アドバイスすることでも、管理することでもありません。

「最近どう?」というシンプルな問いからでも大丈夫。

相手の口から出てくる言葉を、途中でさえぎらず、評価せずに聴く。

これだけで、少しずつ「この人には話してもいいかも」という空気が生まれてきます。

上司が“ちゃんと聴いてくれる人”であることの価値

メンバーにとって、上司が「ちゃんと話を聴いてくれる人」かどうかは、とても大きな意味を持ちます。

ここでの“ちゃんと”には、ただ聞いているのではなく、評価せずに、途中で遮らずに、最後まで耳を傾けてくれるというニュアンスが含まれます。

仕事で判断に迷ったとき、誰かとの関係に悩んだとき。

そんなときに「この人なら話してもいいかも」と思える存在がいるだけで、人は安心し、前を向いていけるんです。

あなたが1on1を通じて「この人は大丈夫」と思ってもらえる存在になれたら、

それだけでチームの安心感と自走力は、確実に上がっていきます。

完璧な質問なんていらない

「どんな質問をすればいいですか?」と聞かれることもありますが、

正解の質問なんて、実はありません。

大事なのは、あなたが相手に関心を持っているかどうか。

その気持ちがあれば、多少ぎこちなくても1on1は成立します。

たとえば:

•「最近、仕事で面白かったことってある?」

•「いま、ちょっとしんどいなって思ってることってある?」

•「このチームで、もっとこうなったらいいなって思うことある?」

ちょっとした問いでも、関係性を深めるきっかけになります。

まずは月1回でも、10分でもいい。

1on1を始めてみることで、チームの空気は確実に変わりはじめます。

そして気づいたとき、きっとこう思うはずです。

「チームって、ひとりひとりとの対話の積み重ねでできていくんだな」と。

3️⃣ “強み”からマネジメントするという視点

部下の育成というと、つい「どこが足りないか」「何を直すべきか」に目が向きがちです。

もちろん、改善点に気づいて支援することは大切ですが──

そればかりだと、本人のモチベーションが下がってしまうこともあります。

そんなときこそ、“強み”に目を向けるという視点が力を発揮します。

弱点を補うより、強みを活かす方が伸びる

人は、自分の得意なことをやっているときに、自然とエネルギーが湧いてきます。

集中力も高まるし、周囲にも良い影響を与えやすくなる。

それはきっと、あなた自身も経験があるはずです。

だからこそ、上司として「この人は何が得意なのか?」「どんなときにイキイキしてるのか?」に目を向けて観察すること

それが、育成の入り口になります。

では、具体的にどこを見ればいいのか?

ぼくがよくお伝えしているのは、こんな3つの観点です。

その人が楽しそうに取り組んでいること(=好き)

周囲が自然とその人に頼っていること(=任せたくなる)

結果が出ていて、周囲からも評価されていること(=成果)

この3つが重なるところに、その人の“強み”が隠れていることがよくあります。

しかもそれは、目に見えるスキルだけじゃなく、関わり方や姿勢、仕事へのスタンスのような「その人らしさ」にも現れるんです。

「役割」ではなく「可能性」で関わる

マネージャーになると、つい“役割”で人を見てしまいがちです。

「あの人は経理だから数字まわり」「彼は中堅だから後輩指導」など。

でも、強みで見るということは、「この人にはこんな可能性があるかもしれない」という視点を持つということ。

実際にやったことがなくても、「向いてそう」と思えることを小さく任せてみることで、思わぬ成長につながることもあります。

強みを活かすチームは、自走する

強みを起点に任せられたメンバーは、「自分の力が活かされている」と感じやすくなります。

その実感が、自信と行動につながり、少しずつチーム全体の流れが変わっていきます。

こうした経験を積み重ねることで、メンバーの「自立」や「主体性」が育っていきます。

自分の意思で動ける人が増えると、やがてチーム全体が“自走”しはじめる。

「この人なら、あれを任せてみようかな」

そんな小さな選択の連続が、自走できるチームを育てていくんです。

強みを見る視点は、マネジメントにおいてとても優しい眼差しです。

それは、「あなたを見ているよ」「可能性を信じてるよ」というサインでもあります。

あなたがその視点を持つだけで、メンバーの表情がふっと明るくなる瞬間が、きっとあるはずです。

4️⃣ 自分の“理想の上司像”を棚卸ししてみる

部下を育てたい。

でも、自分はどう関わればいいのか、正解がわからない。

そんなときこそ、「自分がどんな上司でいたいか?」を考えてみることがヒントになります。

難しく考えなくても大丈夫です。

過去をちょっとだけ振り返ってみるだけでいいんです。

「この人みたいになりたい」と思った上司は誰でしたか?

•どんな関わり方をしてくれていましたか?

•どんな言葉が印象に残っていますか?

•自分がどんなふうに変わっていったか、覚えていますか?

あなた自身が成長したと感じた瞬間には、きっと誰かの“関わり”があったはずです。

そして大事なのは、その人のすべてを真似しようとしなくていいということ。

完璧に理想的な人なんて、きっといません。

でも、「あのときの言葉が嬉しかったな」「あの接し方は印象に残ってるな」

そんな“ひとつひとつの部品”のような要素を、自分なりに切り取って取り入れていけばいいんです。

そうやって、少しずつ自分だけのマネジメントスタイルをつくっていけばいい。

正解を探すのではなく、「自分の軸」を持つこと

マネジメントに“正解”はありません。

でも、「自分がどんな上司でいたいか」という軸があると、

迷ったときにもブレにくくなります。

•部下にどんなふうに関わりたいか

•どんなチームをつくりたいか

•自分がどんなふうに信頼されたいか

言葉にしてみることで、自分のマネジメントスタイルが少しずつ見えてきます。

育てるマネジメントは、他人のマネをすることじゃない。

あなた自身の言葉と行動で、少しずつ形づくられていくものです。

だからまずは、自分の過去を棚卸しして、

「自分が大切にしたい関わり方」を見つけるところから始めてみませんか?

5️⃣ 育成に“正解”はない

ここまで読んで、「なるほど、とは思うけれど…」と感じている方もいるかもしれません。

現場は忙しいし、余裕なんてない日もある。

ちゃんとやれている実感が持てないまま、毎日が過ぎていく。

そんな中で、「育てるマネジメント」なんて言われても、うまくできる気がしない──

そう感じるのも、すごく自然なことです。

育成は、正解を目指すものじゃない

マネジメントって、“うまくやろう”と思えば思うほど、プレッシャーが増します。

でも実際は、育成に「これが正解!」という唯一の答えなんてありません。

相手も状況も日々変わっていく中で、

あなた自身も試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ形をつくっていくしかない。

ときには遠回りに感じることもあるけれど、

そのプロセスこそが、あなたのチームを育てていく時間になります。

大切なのは、「関わろうとする意志」

うまくいくかどうかよりも、

何より大切なのは、**「部下と関わろうとする意志があるかどうか」**です。

忙しい中でも、少し時間を取って話を聴こうとする。

うまく伝わらなくても、また別の角度で伝えようとする。

任せたことに口を出したくなっても、信じて見守ろうとする。

その積み重ねが、メンバーに伝わっていきます。

「ちゃんと見てもらえている」「自分のことを気にかけてもらえている」

そんな実感が、行動を変えていくんです。

あなたのマネジメントには、あなたらしさがあっていい

ここまで読んでくれたあなたには、きっと「いいマネジメントをしたい」という思いがあるはずです。

その気持ちがある限り、たとえ迷いながらでも、きっとチームはついてきてくれます。

大事なのは、正しくやろうとしすぎないこと

完璧じゃなくていい。あなたらしさがある関わり方こそが、チームの空気をつくっていきます。

育成は、ゆっくりでいいんです。

関わる中で、お互いが育っていけばいい。

それが、あなたのチームの、これからの土台になっていきます。

🧭 おわりに:あなたらしい育成の一歩を

ここまで、「育てるマネジメント」をテーマに、5つの視点をお届けしてきました。

✅ 自分でやった方が早い、の壁を超える

✅ 1on1は“管理”ではなく“関係づくり”

✅ 強みからマネジメントするという視点

✅ 自分の理想の上司像を棚卸ししてみる

✅ 育成に“正解”はない

どれも、すぐに完璧にできるものではありません。

でも、どれも「意識して関わろう」と思ったその瞬間から、

少しずつチームの空気は変わっていきます。

昇進・昇格は、ゴールではなく新しいスタート。

大変なことも増えるけれど、その分だけ“育てる喜び”も手にしていけるはずです。

だからこそ、正解を探すのではなく、

「自分だったら、どんなふうに関わりたいか?」を問いながら、

あなたらしい育成の一歩を踏み出してみてください。

その一歩が、未来のチームをつくっていきます。

今日もその歩みを応援しています

ビジネスコーチ直伝!最強チームをつくる管理職 5つのステップ

みなさんこんにちは
ビジネスコーチ たかぎけんじ です
いつもお読みいただいてありがとうございます

4月から新年度がスタートしたというビジネスパーソンもも多いですよね
期が変わって
新しい部下を迎えた方や
チームのメンバーが増えた方も
多いのではないかと思います

先日ある管理職の方とお話をしたときのお話です

その方も新年度が始まって
部門のメンバーの入れ替えや増員があったそうです
その、新しいメンバーでも良い成績を上げていくために
新しいことに取り組んでいきたいとおっしゃっていました

新年度スタートから2週間経った、その時点で状況をお伺いすると
どうしても、ご自身が現場のことで動いてしまうことも多くって
忙しさが変わらない、これまでと同じことを繰り返している
と感じていらっしゃるようで

これが「新しいことに取り組みたい」と感じる理由のようです

今日は新年度に新しいメンバーを迎えた管理職の方向けに
ビジネスコーチ直伝
あなたのチームを最強にする管理職になる5つのステップ
をお伝えしていきます

今日のお話を動画で観たい方はこちらから

 

4月に新年度がスタートして2週間ちょっとが経過しましたね
ぼくがお手伝いしている管理職の方たちも
新しい部下を迎えたり、チームメンバーが増えた
と言う方がいらっしゃいます

中には年上の部下が増えた方や
とても若い部下をお持ちの方もいらっしゃいます

こうした方たちの中には
年上の方たちは、ご自身の成功パターンが確立しているので
会社のルールが変わっても、なかなか新しいやり方に取り組んでもらえなかったり
それによって結果が出なくなっている方がいらっしゃる
ことに悩みを持っていたり

共通の価値観が見出しにくいむちゃくちゃ若い部下の方の育成の方法に
頭を悩ませたり

と、新年度らしい新しい課題をお持ちになる方も多いようです

今日は新年度に新しいメンバーを迎えた管理職の方向けに
チームで成果を上げていくための組織運営のお話をしたいと思います

こうした、管理職の方たちとお話をしていると
やっぱりポイントになるのは部下おひとり、おひとり
ともっと深く対話をすることが必要だと感じる方が多いようです

対話といっても
ただただ、一緒に長話をすれば良いと言うものではないと言うのは
このブログをお読みのあなたには言うまでもありませんし

忙しい管理職の方にとってはできるだけ効果的な対話をしたい
と考える方が多いはずですよね

そこで、ここからは
あなたのチームを最強にする管理職になる
部下との対話の方法を5つのステップでお伝えします

今日、ぼくがご提案する
チームを最強にする管理職なる5つのステップは

1、チームの理想像を明確にすること
2、チームの理想像を共有、共感すること
3、部下の方ひとりひとりがその理想像を実現するために
  やりたいことをきちんと言語化すること
4、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  行動の進捗の振り返りを一緒にすること
5、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  きちんと理解をしその行動支援をすること

 

この5つです。

それでは、順番にお伝えしていきましょう

チームを最強にする管理職になる5つのステップ

まずひとつ目は
チームの理想像を明確にすること
です。

チームのリーダーであるあなたが自チームをどんな方向に導いていきたいのかを
まず、はじめに明確にします

多くのリーダーの方はすでにある程度
こんなチームにしたいというようなイメージはお持ちになられていると思いますので
それを、言語化する紙に書くということで「明確さ」を高めることをしましょう

ぼくが管理職のクライアントさんとのコーチングセッションで
よく使うのは
「ご自身の部門、チームの理想の1年後ってどんな感じですか?」
と言った質問です

ここでの1年後という期限は
クライアントさんの状況などによって使い分けています

例えば、新任の管理職の方や
人事異動で今までと違う組織のリーダーになった方
でまだ長期的な組織プランを
お持ちでない場合は「5年後」と聴いたりします

前期に続いて同じチームのリーダー、管理職をなさる方で
メンバーの入れ替えや、新しいメンバーを迎えたなんて方など
より具体的な理想のチーム像を描きたいときには
「1年後」と聴いたりします。

また、先ほどのように「5年後の理想像」をお聴きした場合は
その後に
その5年後を実現するために必要な1年後はどんな状態ですか?

と、質問を重ねることもあります

1つ目のステップでは
このような感じで、管理職、リーダーであるあなたが描く
理想のチーム像を時間軸を持って明確な言葉にしていきます

明確さのまとまり具合の目安は
あなた自身が、他の人に対して
「私のチームはこうなることを目指しています」
と、いつでも、どんな時でも話せる状態になってると一番いいですね

チームを最強にする管理職になる5つのステップ
ひとつめは
チームの理想像をいつでも、どこでも、ぱっと人に伝えられるぐらい明確にすること
でした

 

チームを最強にする管理職になる5つのステップ
続いて2つ目のステップは
チームの理想像を共有、共感すること

ステップ1で明確にしたあなたのチームの理想像を
チームメンバーに共有しましょう

あなたが、なぜ「そういうチームを目指しているのか」が
きちんとチームメンバーに伝わるように配慮しながら
あなたの考える「チームの理想像を」伝えていきます

この「チームの理想像」をチームメンバーに伝えるプロセスでは
ぜひ、チームメンバーの「その理想像」に対する
感想や意見を引き出してください。

その「チームの理想像」に共感してもらうために
表現の修正や「理想像そのもの」の若干の修正なども視野に入れておきましょう

この、ステップ2は
あなたが描いた「チームの理想像」を
チームメンバーみんなの「チームの理想像」に昇華するプロセスです

ですので、あなたのチームメンバーがその理想像に共感できるように配慮すること
や、共有のプロセスでメンバー一人一人が「自分も一緒に考えた理想像である」と
感じることができる様なプロセスを用意することが大切だと思います

チームを最強にする管理職になる5つのステップ
2つ目のステップは
チームの理想像を共有、共感すること
でした

 

では、3つ目いきましょう
チームを最強にする管理職になる5つのステップ
3つ目は
部下の方ひとりひとりがその理想像を実現するために
やりたいことをきちんと言語化すること

ステップ2でチームメンバー全体と
「チームの理想像」が共有できたら
つぎは、メンバーひとりずつと共有していきましょう

「みんなのチームの理想像」に対して
メンバーひとりひとりは、その理想像を実現するために
どんなことに取り組んでいきたいかを話し合って引き出していきましょう

いわゆる 1on1 の1回目ですね
メンバーと個別に話をして「みんなのチームの理想像」に対して
そのメンバーは仕事や日頃の活動、振る舞いを通じてどんな貢献ができるのかを
丁寧に話をきいて引き出し、言語化をする支援をしましょう

ここでは、できる限り管理職、リーダーであるあなたのやり方や価値観を
伝えることは我慢して、目の前にいるメンバーのやり方、価値観を尊重した
行動目標を設定できる様に話を聞いて差し上げてください

そのメンバーには、そのメンバーにしか見えていない景色があるはずです
それをできる限り大切にしてあげましょう

チームを最強にする管理職になる5つのステップ
3つ目は
部下の方ひとりひとりがその理想像を実現するために
やりたいことをきちんと言語化すること
でした。

 

次4つ目と5つ目まとめてお伝えします。
チームを最強にする管理職になる5つのステップ
4、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  行動の進捗の振り返りをすること
5、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  きちんと理解をしその行動支援をすること

1on1 2回目以降のプロセスです

定期的にチームメンバーと話をする時間をとって
チームメンバーが理想像を実現するためにやりたいこと
が進んでいるか話を聴きましょう

たとえば、この1週間で
1、取り組めたこと
2、取り組んでみてうまくいったこと
3、取り組んでみてうまくいかなかったこと
4、うまくいかなかったことは次にどうしたいのか
5、取り組もうと思ってできなかったこと
6、取り組もうと思ってできなかったことは、まだやりたいと思っているのかどうか
7、やりたいのであれば、今週確実にやるにはどんな方法があるのか
8、もうやりたいと思っていないのであれば、代わりにどんな取り組みをするのか

ここで、でできた
次にどうしたいのか

代わりにする取り組み
に対して
リーダー、管理職であるあなたに力を貸してほしいと思うことは何か

こう言ったことを聴いていきましょう

メンバー、部下が力を貸してほしい、支援してほしい
と願い出ていることに対して
部下の依存を生まない範囲のことを支援していきましょう
その際も、ここは手伝えるけど、ここは自分でチャレンジしてみよう
なぜならば

の様にあなたが支援する理由、支援しない理由を
明確に伝えていきましょう

こんな形で、メンバー、部下 ひとりひとりとの対話を
定期的にやっていきましょう。

次4つ目と5つ目まとめてお伝えしました
チームを最強にする管理職になる5つのステップ
4、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  行動の進捗の振り返りをすること
5、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  きちんと理解をしその行動支援をすること

 

はい、ありがとうございました

それでは、今日のお話まとめておきましょう

4月から新年度というビジネスパーソンも多かったと思います

新しく管理職になられた方や
人事異動などで今までと違うチーム、組織のリーダー、管理職
になった方も多いと思います

今日はそんな方たち向けに
ビジネスコーチ直伝
あなたのチームを最強にする管理職になる5つのステップ
をお伝えしました

今日がお伝えした
ビジネスコーチ直伝
あなたのチームを最強にする管理職になる5つのステップ
は、

1、チームの理想像を明確にすること
2、チームの理想像を共有、共感すること
3、部下の方ひとりひとりがその理想像を実現するために
  やりたいことをきちんと言語化すること
4、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  行動の進捗の振り返りをすること
5、部下の方ひとりひとりがやりたいことについて管理職のあなたが
  きちんと理解をしその行動支援をすること
この5つです

ぜひ
新任管理職の方や
人事異動などで新しいチームのリーダー、管理職になった方など
試してみてください

今日のお話を動画にしました
https://youtu.be/9t1Kzpirl_U

ぜひ、動画でおさらいしてみてくださいね

それでは、今日はここまでにします
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。

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