社員の力を引き出す経営──鍵は“揺れない方針”と“余白を残す姿勢”

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① はじめに

経営をしていると、必ず「人」にまつわる決断の瞬間に立ち会います。
それは、社員の休職や復職といった雇用の継続にどう向き合うかという場面かもしれませんし、あるいは社員の成長をどう促し、どう支援していくかという課題かもしれません。

どちらにも共通しているのは、経営者自身の「心が揺れる」ことです。
たとえば、メンタル不調から復職してきた社員を見て「再発しないだろうか」と不安になる瞬間。
あるいは、新しい研修を導入した社員に対して「成果をすぐに出してほしい」と期待しすぎてしまう瞬間。
こうした心の揺れはごく自然なものですが、その思いが強すぎると、社員に過度なプレッシャーを与えてしまいます。

一方で、ただ待っているだけでは組織の前進は止まってしまいます。
だからこそ経営者に求められるのは、「揺れない方針」と「余白を残す姿勢」の両立です。

最近、とある中小企業の経営者さんとのコーチングセッションで、まさにこのテーマについて深く対話する機会がありました。
復職支援の対応や生成AIを活用した社内研修を通じて感じたのは、経営の本質は「人を信じること」にあるということ。
ルールを守りながらも、社員が自分のタイミングで力を発揮できるように余白を残す──。
そこにこそ、これからの人材育成と組織づくりのヒントがあるのではないでしょうか。

② 復職支援における「揺れない方針」

社員の休職や復職の場面は、経営者にとって非常にデリケートな局面です。
「早く現場に戻ってほしい」という思いと同時に、「無理をさせて再発してしまったらどうしよう」という不安もつきまといます。まさに心が揺れる瞬間です。

こうした場面で大切になるのは、あらかじめ定めたルールに従って対応することです。
契約形態や就業規則に沿って判断し、経営トップ自身がそのルールを守り続ける。
一見冷たいように映るかもしれませんが、それが結果的に本人や周囲に安心感を与えます。

また、「組織としての一貫性」とは抽象的な言葉に聞こえますが、具体的には

• ルールの適用を人によって変えないこと

• 必要な範囲で同じ説明を関係者に共有すること

• 復職後の支援体制を「特別扱い」ではなく規定の一部として運用すること

といったシンプルな実践に表れます。

復職支援は、社員本人の心身の回復ペースに左右される領域でもあります。
経営者が「早く」「もっと」と心情で揺れてしまうと、知らず知らずのうちに過度な期待が伝わり、かえって再発リスクを高めることにつながりかねません。

揺れない方針とは、「本人を信じて待つこと」と「組織としての一貫性を示すこと」の両立です。
その両方があって初めて、社員は安心して一歩を踏み出すことができ、同僚もまた「この会社は信頼できる」と感じられるのです。

③ 生成AI研修における「人材育成の新しいかたち」

生成AIの活用は、今や多くの企業で関心を集めています。
ただし、それを「どう社内に取り入れるか」と考えるとき、単なるスキル研修にとどめてしまうと効果は限定的です。

実際の現場で感じるのは、生成AI研修は社員の知識や技術を高める以上に、学びの姿勢そのものを育てるきっかけになるということです。
新しい技術に対して自分なりに試行錯誤し、「できること/できないこと」を確かめながら少しずつ自分の業務に取り入れていく。
この過程で自然と「自分で学び、自分で活用する」という成長の土台が形成されます。

経営者の立場から見ると、ここにも「心の揺れ」が存在します。
「投資した以上、すぐ成果を出してほしい」という焦りや期待は当然生まれます。
けれども、短期的な成果ばかりを求めると、社員は「正解を教えてもらう」受け身の姿勢に陥りやすくなります。

大切なのは、成果を急がせるのではなく、安心して挑戦できる場をつくることです。
その余白があるからこそ、社員は自ら考え、挑戦し、結果的に大きな成果を生み出せるようになります。

一方で、中小企業では研修が「打ち上げ花火」で終わってしまうことも少なくありません。
だからこそ、余白を残しながらも、定期的に成長の様子を見守ることが重要です。
経営側の安心感が増し、社員にとっても「見てもらえている」という手応えが、さらなる挑戦につながります。

生成AIという新しいテーマは、まさに「社員を信じて余白を残す」経営姿勢を実践できる場でもあります。
この姿勢が浸透すると、単なるAIの活用スキルにとどまらず、組織全体に「自分で学び続ける文化」が根づいていくのです。

④ 両者に通じる共通点

復職支援と生成AI研修──一見するとまったく違うテーマのように見えます。
けれども、実際に経営の現場で扱ってみると、そこには共通するポイントがあることに気づきます。

それは、**「過度な期待をかけないことが、人を育てる」**という原則です。

復職支援では、経営者が焦って「早く戻ってほしい」と期待を強めるほど、本人はプレッシャーを感じ、再発のリスクが高まります。
生成AI研修では、成果を急がせるほど、社員は受け身になり、学びの主体性を失ってしまいます。

大切なのは、「期待をかけすぎないけれど、見守る」姿勢です。
信じて余白を残しつつ、適切に声をかけたり、成長の様子を確かめたりする。
その“見守り”があるからこそ、社員は安心して自分のペースで力を取り戻したり、新しいスキルを活かしたりできるのです。

そしてもう一つ大切なのは、経営者自身が揺れない方針を示し続けることです。
雇用の継続も、人材育成も、日々の判断の積み重ねの中で社員に伝わります。
「この会社は信じて任せてくれる」「方針がぶれないから安心できる」と社員が感じるとき、組織は安定と成長を両立できるのです。

⑤ まとめ

社員の復職支援も、生成AI研修といった新しい学びの取り組みも、経営者にとっては「心が揺れる」場面です。
早く成果を求めたくなる気持ちや、不安から細かく介入したくなる気持ちは、誰にでも自然に生まれるものです。

だからこそ大切なのは、揺れない方針を示しながら、余白を残して見守る姿勢です。
ルールを守り、一貫した対応を続けることで社員の安心感をつくり出す。
そして、過度な期待をかけすぎず、それでも「見ているよ」というサインを送り続けることで、社員は自分のタイミングで成長の一歩を踏み出すことができます。

経営の本質は、人をコントロールすることではなく、人を信じることにある──とぼくは考えています。
その信頼の土台があるからこそ、社員は自ら成長し、組織もまた持続的に力を発揮できるのです。

これは特別なテーマではなく、どの会社にも起こりうることです。
経営の現場では、日々大小さまざまな判断を迫られます。
その中で「人」にまつわる判断は、とりわけ迷いや不安が大きいものです。

揺れる心情の中で、どんな方針を掲げ、どんな余白を残して社員を信じていけるか。
それが、組織の成長と安定を支える土台になるのではないでしょうか。

あなたの会社では今、
「社員を信じて余白を残す姿勢」をどのように実践できるでしょうか。

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部下の『苦手を直すか』『強みを伸ばすか』──その葛藤がマネージャーを育てる

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1.オープニング

部下の成長を支えたいと思っているのに、なかなか行動が変わらない──。
マネージャーをしていると、そんな場面に必ず出会います。

「この苦手をなんとか克服させたい」
「いや、強みを活かした方が成果は早いかもしれない」

頭ではわかっていても、どちらを選んでもモヤモヤが残ることがあります。

先日、とある管理職の方とのコーチングセッションでも、まさにこのテーマが話題になりました。
部下の業務遂行が思うように進まない状況の中で、「克服させるべきか、活かすべきか」で悩み続ける姿は、多くのマネージャーが直面するリアルそのもの。

そして、その迷いは部下だけでなく、自分自身のマネジメントに対するスタンスを突きつけてくるのです。

実は、この瞬間こそがマネージャーにとっての“成長の壁”。
部下をどう育てるかを考えているようでいて、実は「自分はどんなリーダーでありたいのか」を試されている局面なのです。

2.よくある現場の葛藤

例えば、こんな場面を想像してみてください。

ある苦手分野があって業務の進捗が捗々しくない部下に、
「このタスクを小さく分けて、計画を立てて進めよう」と伝えた。
ところが翌週になっても、ほとんど手がついていない。

理由を尋ねても「やろうとは思っていたんですが…」と口ごもり、優先順位の理解も曖昧。
納期を守れないこともあり、チーム全体の進行に影響が出てしまう。

マネージャーとしては「ここを何とか克服させなければ」と感じるのは自然なことです。
「自分が細かく確認し、厳しく管理しないと、このままでは改善しないのではないか」
そう考えれば考えるほど、気持ちが焦りや苛立ちに傾いてしまいます。

一方で、部下の中には確かに強みもある。
人との関係構築や資料づくりなど、光る部分は見えている。
「だったら、苦手を深追いさせずに強みを発揮できる役割を任せた方がいいのでは…?」
そんな考えがよぎることもあるでしょう。

結果として、
• 苦手を克服させるべきか
• 強みを活かすべきか

その狭間で揺れ続け、モヤモヤしたまま時間が過ぎていく。
これこそ、多くのマネージャーが抱える典型的な葛藤です。

3.「苦手を克服」か「強みを活かす」かの二択に見える罠

この葛藤は、しばしば「二択」のように見えます。

ひとつは、苦手なことにあえて挑戦させて克服させる道。
もちろんこれは本人の成長につながる可能性がありますが、成果が出るまでに時間がかかり、途中で自信を失ってしまうリスクも大きい。

もうひとつは、強みを優先的に活かす道。
得意分野を任せれば成果は出やすいですが、苦手分野の改善は先送りになり、本人の成長の機会が薄れるかもしれません。

どちらを選んでも「しわ寄せが出る」と感じやすく、多くのマネージャーはこの二択の中で答えを探し続けてしまいます。

しかし実際のマネジメントはもっと複雑です。
成長と成果、本人とチーム、短期と長期──それらをどうバランスさせるか。
この二択に見える問いこそが、マネージャーにとっての大きな“罠”なのです。

4.実は問われているのは“マネージャー自身”

部下の苦手にどう向き合うか。
その問いは部下の課題のように思えますが、突きつけられているのは マネージャー自身の“育成の軸” です。

「成果を出すために厳しく指導するのか」
「まずは強みを活かして自信を育てるのか」

どちらを選んでも答えが見つからないのは、個別の事象ごとに正解を探しているからです。
本当の課題は、「人を育てるときに自分が何を大事にしているのか」という軸が定まっていないことにあります。

つまり、この葛藤は「部下の育成法をどうするか」というテクニックの話ではなく、
「自分はどんなリーダーシップで人を育てたいのか」という根本的なテーマに向き合う場面なのです。

ここで悩むことは、決して無駄ではありません。
むしろ、その葛藤を通じて初めて、マネージャーは自分自身の育成観を磨いていくのです。

5.壁を越えるヒント

では、この“成長の壁”をどう越えていけばよいのでしょうか。
大きな正解があるわけではありませんが、現場で実践できるヒントをいくつか紹介します。

① 一次感情を伝える

「怒り」や「苛立ち」といった表層の反応ではなく、
その奥にある「悲しい」「残念」「期待していた」という一次感情を丁寧に言葉にして伝えること。
これだけで、相手に届く温度は大きく変わります。
パワハラにならずに率直さを出せる、実践的な方法です。

② “待つ技術”を身につける

部下が黙る──その沈黙は一様ではありません。
背後には例えば、
• 不本意な感情の抑え込み(怒り・恥ずかしさ・防衛)
• 思考停止による“やり過ごし”(その場を切り抜けたい)
• 叱責に慣れた結果の指示待ち(自分で考えるより正解待ち)
• 自信のなさ/言語化への不安(否定されるのが怖い)

…など、複数の可能性が隠れています。

どの場合でも、上長が**焦らずに“待つ”**ことは、やり過ごしの沈黙を「考えるための沈黙」へと切り替えるスイッチになります。
コツは、短く開く問いを一つだけ投げる → 沈黙を保つ → 出てきた言葉を受けとめる。
放置ではなく“思考の余白”を渡す姿勢が、部下の自発的な思考と次の一歩を促します。

③ 強みを見抜く視点を持つ

苦手ばかりに目が向くと、指導は厳しくなりがちです。
しかし、苦手と強みはしばしば表裏一体の関係にあります。

たとえば、
• 「優先順位をつけるのが苦手」=「複数の物事を同時に抱えても粘り強く対応できる」
• 「細かい作業が遅い」=「慎重で正確さを大事にしている」
• 「自分の意見をあまり言わない」=「周囲の空気を読んで調整できる」

このように、苦手の裏には必ず強みの芽が潜んでいます。
マネージャーが「弱みを直す」視点だけでなく、「裏にある強みをどう活かすか」という問いを持ち続けることが、部下の自信と成長を引き出すきっかけになります。

マネジメントの現場に“魔法の答え”はありません。
だからこそ、感情を丁寧に扱い、沈黙を受け止め、強みに光を当てる──。
こうした小さな実践が、壁を越えるための確かな一歩になっていきます。

6.まとめ

部下の「苦手」をどう扱うか。
それは単なる育成方法の選択ではなく、マネージャー自身の成長に直結するテーマです。
• 苦手を克服させるのか
• 強みを活かすのか

その狭間で悩むことは、誰もが通る“成長の壁”。
そして、この葛藤に向き合うことこそが、マネージャーとしての軸を磨く大切な機会になります。

大切なのは、**「自分は人をどう育てたいのか」**という視点を持つこと。
感情を丁寧に伝え、沈黙を受けとめ、強みに光を当てる──そんな小さな実践の積み重ねが、部下を育てるだけでなく、自分自身を次のステージへと導いていきます。

いま葛藤の最中にいるあなた自身が、すでに次のリーダーシップへの一歩を踏み出しているのです。

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経営方針にモヤモヤしたら──現場と経営の間に立つ管理職のための橋渡しスキル

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①はじめに

先日、とある管理職のクライアントさんとのコーチングセッションで、こんな話になりました。
「経営方針や新しい施策を聞くと、どうしても“うーん”と引っかかる部分があるんです。」

実はこのテーマ、さまざまな企業の管理職の方をコーチングさせていただく中で、時々話題にのぼります。
現場を日々見ているからこそ、経営層が描く理想と、現場のリアルとの間にギャップを感じる──これは決して珍しいことではありません。

会議や説明会で経営陣の話を聞きながら、「本当に現場の状況をわかっているのかな」と心の中でつぶやいた経験がある方も多いのではないでしょうか。
その違和感は、あなたが現場を知っている証拠でもありますが、一方で、経営との距離を感じるきっかけにもなり得ます。

今回は、そんな“違和感”を抱えたときに、異なる価値観を受け入れつつ、現場の声を経営に届ける「橋渡し」のスキルについて考えていきます。

② 管理職が直面しやすい3つの壁

現場と経営の間に立つ立場だからこそ、管理職には特有の“壁”があります。
この壁は、本人の意識や努力だけでは越えにくく、気づかないうちにコミュニケーションや判断をゆがめてしまうことがあります。

1. 価値観の固定化

長く現場を経験してきた分、「こうするのが正しい」という自分なりの“正解”がしっかり根付いています。
それは経験値として強みになる一方で、新しい考え方や施策を受け入れるときの柔軟性を奪ってしまうことがあります。
結果として、経営層の方針を「現場に合わない」と瞬間的に判断し、可能性を狭めてしまうこともあります。

2. 経営層との距離感

経営陣が決めた方針や施策も、その背景や意図を知らなければ「なぜこれをやるのか?」という疑問だけが残ります。
特に大きな組織では、経営会議や戦略策定のプロセスに直接関わる機会が少なく、どうしても“上から降ってきた感”が強くなりがちです。
その距離感が、信頼関係や理解の深さに影響を与えます。

3. 現場視点の“翻訳”不足

現場の不満や課題をそのまま経営層に伝えても、必ずしも動いてもらえるわけではありません。
経営層は全社的な視点で判断するため、数字・影響度・リスクといった尺度で情報を求めます。
一方で、経営方針を現場にそのまま伝えても、抽象的すぎて「で、何をすればいいの?」となってしまうことも少なくありません。
この“翻訳不足”が、現場と経営の間に誤解や温度差を生む大きな原因になります。

この3つの壁を意識できるだけでも、日々の会話や会議でのスタンスが変わってきます。
次の章では、この壁を乗り越えるためのステップをお伝えします。

③ 壁を越えるための3つのステップ

現場と経営の間にある壁は、一気に壊す必要はありません。
むしろ、日々の会話ややり取りの中で少しずつ“通り道”を広げていくことが現実的です。
ここでは、管理職として意識したい3つのステップをご紹介します。

ステップ1「まず受け取る姿勢を保つ」

経営層から新しい方針や施策が伝えられたとき、賛否や是非を判断する前に、一度 自分の中で「背景や意図をまるごと受け取る時間」をつくります。
この時点で「現場には合わない」と決めつけてしまうと、情報の幅が狭まり、対応策も限定的になります。
背景理解を深めるための質問例:
• 「この施策の狙いは何ですか?」
• 「どの指標や数字に影響を与える想定ですか?」

ステップ2「現場と経営の言語を行き来する」

現場の声をそのまま経営に伝えるのではなく、経営層が判断に使いやすい形に変換します。
例えば「作業が増えて大変」という声なら、作業時間の増加や人員配置の影響を数値化して示す。
逆に、経営方針を現場に伝えるときは、「売上10%アップ」という目標を「具体的に何をどう変えるのか」という行動レベルまで落とし込みます。
この翻訳作業があることで、双方の理解が深まり、動きやすくなります。

ステップ3「異なる価値観の接点を探す」

経営と現場では、守りたいもの・重視するものが違う場合があります。
しかし、よく話を聞くと「組織を成長させたい」という目的は共通していることが多いもの。
対立する意見の中にも共通ゴールを見つけ、「ではそのためにどこで歩み寄れるか」を探ります。
接点が見えた瞬間、対立は協力の土台に変わります。

この3つのステップは、特別な会議やイベントのときだけでなく、日常的なやり取りにも活かせます。
一方的な主張や押し付けではなく、相互理解の通路をつくること──それが管理職の橋渡し力を高める第一歩です。

④ 実践イメージ──一つのやり方として

例えば、経営方針説明会で新しい施策が発表されたとします。
あなたは聞いた瞬間、「これは現場には負担が大きいのでは…」と感じるかもしれません。
ここで多くの人は、すぐに反論や否定の言葉を頭に浮かべてしまいます。
そんな時に、前の章でご紹介した3つのステップを実際に行うイメージをご紹介します。

【ステップ1|受け取る】

その場では意図や背景を丁寧に聞き、必要があれば後日、担当役員や関連部署に質問をして情報を補います。
「なぜこの時期に?」「狙っている成果は?」といった問いを通じて、施策の“裏側”を知ることができます。

次に

【ステップ2|翻訳する】

現場から聞こえてくる懸念や課題を、経営層が理解しやすい形に変換します。
「負担が増える」ではなく、「この業務に週5時間の追加工数が必要になり、結果としてA案件の納期に影響が出る可能性がある」といった具合です。
逆に、経営の狙いを現場に伝えるときは、「売上10%アップ」という数字目標を、「この製品の提案回数を週○件増やす」という行動に落とし込みます。

そして

【ステップ3|接点を探す】

経営の意図と現場の懸念の中で、共通の目的を探ります。
「売上アップ」というゴールは共有できるなら、負担を軽減しつつ成果を出す方法を一緒に考える──例えば優先度の低い業務を一時的に減らす提案などです。

こうして“受け取る→翻訳する→接点を探す”という流れを踏むことで、
一方的な意見のぶつけ合いではなく、相互理解に基づいた橋渡しが可能になります。

⑤ 橋渡し力を支える3つの能力と鍛え方

ここまでご紹介した「受け取る → 翻訳する → 接点を探す」という流れは、意識すれば誰でも取り入れられます。
ただし、その土台にはいくつかのスキルが必要です。
このスキルが育っているほど、日常的な会話や会議の中で自然に橋渡しができるようになります。

1. 意図を理解するための質問力

経営層からの説明や新しい施策を聞いたとき、その“背景や狙い”まで理解できているかどうかで、その後の動きやすさは大きく変わります。
表面的な説明に留まらず、「なぜ」「何を」「どうやって」という3つの視点で掘り下げる質問を意識しましょう。
• フレーム(WHY → WHAT → HOW)
 1. WHY:なぜこれをやるのか(背景・目的)
 2. WHAT:何を変える/実現するのか(成果・指標)
 3. HOW:どう進めるのか(方法・プロセス)
• 鍛え方:自分が質問をしない場面でも、頭の中でこの3ステップを組み立てる練習をしておく

2. 翻訳能力(現場 ⇔ 経営)

経営と現場では使う言葉や判断基準が違います。
橋渡しをするためには、相手が理解・判断しやすい“言語”に変換する力が不可欠です。
• 経営 → 現場:数字や戦略を、日々の行動レベルまで具体化する
• 現場 → 経営:感覚的な声や不満を、数字・影響度・リスクに置き換える
• フレーム(3C変換)
 1. Concrete(具体化):「抽象的な方針」を現場が動ける形にする
 2. Calculate(数値化):感覚的な課題を時間・コスト・成果の数字に変える
 3. Context(文脈化):相手の視点や優先事項に合わせた説明にする
• 鍛え方:報告や説明の前に「相手が重視しているのは何か?」を先に推測する習慣を持つ

3. 共通の目的を探る調整力

経営と現場では、守りたいものや優先順位が異なることがあります。
しかし、その奥には意外と共通するゴールが隠れています。
それを見つけ、歩み寄る道を設計するのが調整力です。
• フレーム(GAP → GOAL → BRIDGE)
 1. GAP:双方のズレを洗い出す
 2. GOAL:共通のゴールを明確にする
 3. BRIDGE:そのゴールに向けた歩み寄り策を考える
• 鍛え方:意見が割れた場面で、「相手の最終目的は何か?」を紙に書き出す習慣をつける

これら3つの能力は、日常の会話や打ち合わせの中で意識して使い続ければ、自然と自分の中に定着し、橋渡し役としての信頼と存在感が高まっていきます。

⑥ まとめ

経営と現場の間に立つ管理職は、しばしば“違和感”を抱えます。
それは、現場を知り尽くしているからこそ生まれる感覚であり、決して悪いことではありません。
むしろ、その違和感をきっかけに経営と現場の橋渡し役としての価値を発揮できるチャンスがあります。

今回お伝えした
• 受け取る姿勢
• 翻訳する力
• 共通の目的を探す調整力

この3つは、会議や説明会といった特別な場面だけでなく、日常的なやり取りの中でも磨けます。

次に経営方針や新しい施策が発表されたときは、まず「なぜ」「何を」「どうやって」を意識して受け取り、
現場と経営の間で“言語”を変換し、共通のゴールを探す──そんな一歩から始めてみてください。

橋渡し役として信頼される管理職は、組織の中で欠かせない存在になります。
そしてその信頼は、あなた自身のキャリアを大きく広げる力にもなるはずです。

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「いい影響を与える人」がしている、シンプルなこと──感情の伝え方

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冒頭|「あの人といると、なぜかがんばれる」

「なんか、あの人といるとがんばれるんだよね。」

そんな言葉を聞いたことはありませんか?
あるいは、自分が言われたことがある、という方もいるかもしれません。

明確な指導をしたわけでも、特別な成果を出したわけでもない。
でも、気がつくとまわりの人が前向きになっていたり、自然と相談を受けていたり。
「自分って、何かいい影響を与えられてるのかな?」
ふと、そんなことを感じる瞬間があるかもしれません。

先日、とあるクライアントさんとのコーチングセッションで、
まさにそんな話題があがりました。
経験や知識ではなく、「ふるまいや関わり方」がまわりに影響を与えている──
そんな姿に、あらためて大切なことを教わった気がします。

「なぜか一緒にいるとがんばれる人」には、
相手の気持ちを尊重しながら、自分の気持ちもきちんと伝える力がある。

言い換えれば、安心できる空気をつくれる人なんです。

今回は、そんな「いい影響を与える人」になるためのヒントとして、
“感情の伝え方”にフォーカスしてみたいと思います。

「いい影響」を与える人の共通点

「いい影響を与える人」と聞いて、どんな人物像を思い浮かべるでしょうか。

知識が豊富な人。
判断力がある人。
言葉に説得力がある人。

たしかに、そうした力も影響力を高める要素のひとつかもしれません。
実際にコーチングの現場でも、影響力を高めたいと話す方の多くが、
「もっと成果を出したい」
「専門分野の勉強をがんばりたい」
「まずは資格を取りたい」──そう口にされます。

そのどれもが、とても大切な努力です。
でも、ときどきこうも思うんです。
**“その前にやっておきたいことがあるかもしれない”**と。

誰かと関わるとき、最初に届くのは、
その人の「雰囲気」や「ふるまい」、そして「感情の扱い方」だったりします。

「なんだか話しかけやすい」
「一緒にいると安心する」
「自然と前向きになれる」
そんな印象を持たれている人は、日常の中で確実に“いい影響”を広げているんです。

共通しているのは、雰囲気をやわらかくする力
ピリピリした場面でも、ふっと空気をゆるめられる。
自分のことばかりを話さず、相手の反応に自然に目を向けられる。
そして何より、自分の感情を丁寧に扱っていることが伝わってくるんです。

感情にふりまわされるのではなく、
でも、感じたことをなかったことにもしない。
そのちょうどいいバランスが、まわりに安心をもたらします。

影響力というと、つい「なにができるか」に目が向きがちですが、
実はその土台には、「どんな人であるか」がしっかり存在している。
その“あり方”が、最初に信頼をつくっているのだと思います。

感情が伝えられる人が、なぜ信頼されるのか

どれだけ正しいことを言っても、
どれだけ立派な行動をしていても、
なんだか「距離を感じる人」がいます。

一方で、完璧じゃなくても、
*「この人のそばにいたいな」*と感じさせる人もいる。

その違いはどこから来るのか──
ぼくは、「感情の伝え方」がひとつの鍵になっていると思っています。

たとえば、誰かに頼みごとをするとき。
理路整然とお願いするよりも、
「ちょっと困ってて、助けてもらえるとありがたい」
と、自分の気持ちを添えて伝えた方が、相手の心が動くことがあります。

あるいは、失敗した部下に声をかけるとき。
「なんでこうなったの?」と詰めるより、
「正直ちょっと驚いた。でも、どうしたのか話を聞かせて」
と伝えられたほうが、相手は心を開きやすくなります。

感情を言葉にすることは、相手との距離を縮める力を持っています。

とくに、一次感情──「嬉しい」「悲しい」「驚いた」「がっかりした」などの、
素直な気持ちをそのまま伝えられる人は、信頼されやすい。

なぜなら、そこに人としてのリアリティがあるからです。

もちろん、感情をぶつけたり、過剰に表現したりするのとは違います。
必要なのは、「感じたことを、感じたままに、穏やかに伝える」こと。

それだけで、**“ちゃんと自分を持っている人”**という印象が自然と伝わっていきます。
そして、それが信頼の積み重ねになっていくのだと思います。

“うまく伝える”ための小さな実践

感情をそのまま伝える──
そう聞くと、「ちょっとハードルが高い」と感じる方もいるかもしれません。

特に、普段から周りに気を遣っていたり、
“空気を読む”ことを大切にしてきた人ほど、
自分の気持ちを言葉にするのがむずかしく感じるものです。

でも、感情を伝えるって、
なにも「熱く語る」とか「はっきり言い切る」ことばかりではありません。

まずは、ちいさく始めることから。

以下に、今日からできる実践をいくつか紹介します。

● 感じたことを、日記に書いてみる

まずはアウトプットの場を“対人”ではなく、“自分の中”に置く。
嬉しかったこと、モヤっとしたこと──一行でもいいので、
「自分はいま、こう感じたんだな」と書いてみることで、
自分の感情に気づく力が育っていきます。

● アドバイスより「わかるよ」を意識する

誰かの話を聞いているとき、ついアドバイスをしようとする自分に気づいたら、
ひと呼吸おいて、「それ、わかるなぁ」「そっか、そう感じたんだね」と
感情を受けとめるひと言に置き換えてみる。
それだけで相手の表情がやわらぐこともあります。

● 感情をゼロにしない

「怒ってないよ」ではなく、「ちょっと残念だったな」
「大丈夫だよ」だけで終わらせず、「でも正直ちょっと焦った」
そんなふうに、自分の感じた“温度”を少しだけ言葉にのせてみる。

感情の「強さ」ではなく、「輪郭」を伝える意識が大切です。

どれも、小さなことばかりかもしれません。
でもこうした日々の積み重ねが、
**“自分の気持ちに誠実でいながら、人とつながる”**という
土台をつくってくれます。

「伝えること」が特別なスキルではなく、
日常の中の“ふるまいのひとつ”になっていくと、
それだけで信頼の空気が育っていくのだと思います。

影響力は、少しの表現から始まる

「影響力」と聞くと、
多くの人を動かしたり、大きな成果を出したりと、
なにか特別なことを想像しがちです。

でも、ほんとうの意味で人に影響を与えるのは、
身近な誰かとの、ささやかな関わりの積み重ねかもしれません。

「その言葉に、救われた」
「ちょっと話せて、ほっとした」
「この人がいると、空気がやわらぐ」

そんなふうに思われる人が、
気づかないうちにまわりの空気を整え、
小さな勇気を広げている。

そして、その力は、
「自分の感情をどう扱うか」「どんなふうに伝えるか」という
日常の表現から、静かに育っていくものです。

自分の感じたことに気づき、
それを押しつけず、なかったことにもせず、
ちょうどいいかたちで伝える。

それだけで、**「この人のそばにいたい」**という信頼が生まれます。

だからこそ、もしあなたが
「もっとまわりに良い影響を与えられるようになりたい」
「リーダーとして信頼される存在になりたい」と思っているなら、
まずはほんの少し、自分の感情を表現してみてください。

特別な言葉じゃなくていい。
完璧に伝えられなくても大丈夫。

影響力は、特別な立場や知識からではなく、日常の「伝え方」から生まれるもの。

あなたが“自分の気持ちに丁寧である”その姿こそが、
 すでに影響力のはじまりなのです。

結び|“伝え方”が、あなたの影響力を育てる

いい影響を与えたい。
まわりに信頼される存在でありたい。

そんな思いを持つ人にとって、
成果や実績、知識や資格を磨くことは、きっとこれからも大切なチャレンジです。

でも、その前に。
**「どんな自分で在るか」**を少し見つめてみることも、とても意味のある時間だと思うのです。

感情に気づき、ことばにして、届ける。
その“伝え方”は、目には見えづらいけれど、
確実にあなたの影響力を育てていきます。

ちいさな日記のひとこと。
ちょっとした相づちの言葉。
少しだけ添えた「自分の気持ち」。

それらが、あなたのまわりに安心感を生み、
信頼という“土壌”を静かに耕していくのだと思います。

リーダーになることは、誰かの上に立つことではなく、
自分のふるまいを通して、まわりに良い空気を広げていくこと。

その第一歩は、今日のあなたの“伝え方”から、始まっているのかもしれません。

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“伝えてないのに伝わってる”──チームの空気を変えるリーダーのふるまい

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① はじめに

現場リーダーとして、「もっと主体的に動いてほしい」と感じる場面は少なくないと思います。

こちらが指示を出す前に動いてくれるのが理想。
でも、現実にはそうならず、結局は痺れを切らして指示を出す──
それでも、思ったような動きにはならない。
そんなジレンマを抱えたことはないでしょうか。

今回のコーチングセッションでは、
まさにその「メンバーがなかなか自律的に動いてくれない」という課題がテーマでした。

対話を深める中で見えてきたのは、
チームリーダー自身が抱いていた“ある感情”──
「この人にはもう言っても無駄かもしれない」
「最終的には強制的にでも動かさなきゃいけない」
といった、あきらめや苛立ちのようなもの。

そしてそれが、言葉にしなくても、
表情や態度、雰囲気といった非言語情報を通じて
メンバーに伝わってしまっている可能性があるのでは?と、感じたのでした。

このブログでは、こうした“言葉にならない影響”と、
メンバーの行動原理に目を向けながら、
現場リーダーとしてどんなふるまいや関わり方ができるかを一緒に考えていきたいと思います。

② チームの空気は“言葉にならない情報”でつくられている

「ちゃんと伝えたはずなのに、なぜか空気が重くなる」
「注意したわけでもないのに、相手がよそよそしくなる」
──そんな経験はないでしょうか。

人は言葉だけで相手とやりとりしているわけではありません。
表情、声のトーン、姿勢、タイミング、ちょっとした間(ま)──
こうした“言葉にならない情報”が、思っている以上に周囲に影響を与えています。

実際、現場でよくあるのが──
「自分が動いた方が早い」「何度言ってもできない」
そんな気持ちが、ふとした表情や態度ににじみ出てしまう場面です。

もちろん、声を荒げているわけでも、厳しく詰めているわけでもありません。
それでも、メンバーはどこかで察知してしまう。
「あ、自分は期待されていないのかもしれない」
「また怒られるんじゃないか」──そんな空気を、無意識に感じ取ってしまう。

これは、リーダーの“人としてのクセ”が悪いわけではありません。
むしろ自然な反応です。
でも、この非言語の影響に気づけるかどうかが、
チームの空気を少しずつ変えていく第一歩になるのだと思います。

③ 人は“正しさ”では動かない──行動原理を読むという視点

メンバーに対して「ちゃんと伝えたのに、なぜ動いてくれないんだろう」と感じるとき、
つい「言い方が悪かったのかな」「もう少しハッキリ言うべきだったかな」と
“伝え方”の技術に目が向きがちです。

もちろん、言い方の工夫は大切です。
でも、それだけでは動かないこともある。
それは、相手の“行動原理”とズレてしまっているからかもしれません。

人は、理屈ではなく「自分にとって意味がある」と感じたときに動きます。
たとえば、「このままだとあとで困るかもしれない」という未来の予測や、
「これは自分の役割だ」と感じる納得感。
あるいは、「あの人に頼まれたから応えたい」といった信頼のつながり。

今回のセッションでは、あるメンバーに対して
「これをやっておいた方が、あとで自分が楽になると思うよ」という伝え方を試してみる、
というアイディアが出ました。
これはまさに、“未来を想像する力”を使って行動を促すアプローチです。

ポイントは、“自分の正しさ”ではなく、“相手の行動原理”に合わせること。
指示そのものよりも、「なぜその行動が必要なのか」を、
相手の視点に立って意味づけできるかどうか。

動かないのは“部下のせい”に見えるかもしれませんが、
伝え手の視点を少し変えるだけで、状況が動き出すこともあるのです。

④ “伝えずに伝える”ふるまいを変えてみる

「もっと主体的に動いてほしい」
「指示しなくても気づいて動いてくれるといいんだけど」
──そう感じたとき、まず考えたくなるのは「どう伝えるか」かもしれません。

でも実は、“伝える”より前に
「ふるまいを変える」というアプローチが効くことがあります。

たとえば──
・朝の始まりに「今日はどんな予定?」と軽く声をかけてみる
・説明のとき、図や手順を一緒に見ながら話す
・ミスがあったときも、まず「どう感じてる?」と聞く余白をつくる
・進捗が遅れている相手にも、「前に進もうとしてるのは伝わってるよ」と一言添える

こうしたちょっとしたふるまいには、
「見てるよ」「気にかけてるよ」「信じてるよ」というメッセージが含まれています。
それは、“期待している”という気持ちを、言葉よりもずっと深く伝えてくれるものです。

一方で、
「どうせまた…」
「もう言ってもムダかも」
そんな思いを抱えたままだと、たとえ笑顔で接していても、どこかでその空気がにじみ出てしまう。

こういう状況は、意外と現場ではよくあることです。
だからこそ、ふるまいの根っこにある「自分のスタンス」に目を向けることが大切です。

強く言わなくても、関わり方ひとつでチームの信頼は積み上がっていきます。
まずは「相手を信じている自分でいる」──
その状態から自然に出てくるふるまいこそが、信頼をつくる最初の一歩かもしれません。

⑤ まとめ──チームに影響を与えるのは、言葉の“外側”

チームリーダーとして、メンバーの動きが思わしくないとき、
つい「ちゃんと伝えなきゃ」と思って言葉を重ねてしまう。
でも、実はその前に、すでに“何か”が伝わってしまっていることがある──
今回のテーマは、そんな「言葉の外側」にある影響力についてでした。

人は、言葉だけで動いているわけではありません。
空気を読む、表情を察する、雰囲気を感じる──
そうした非言語の情報が、日々の関わりの中でチームの空気をつくっています。

そして、リーダー自身の「どうせやらないだろう」「また同じだ」というあきらめや苛立ちは、
知らず知らずのうちに態度やふるまいに現れ、
メンバーにも伝わってしまいます。

逆に言えば、
「信じてるよ」「一緒に進もう」というスタンスで関われば、
それもまた言葉以上に伝わっていく。

大事なのは、
“伝え方”のテクニックではなく、
“どんな姿勢で関わっているか”という自分のあり方。

メンバーの行動を変えたいと思ったとき、
相手に言葉を投げる前に、
自分のふるまい・スタンスをほんの少し見直してみる。

それだけで、
チームの空気がふっとやわらかくなることも、実は少なくないのです。

あなたは、今どんなスタンスでメンバーと向き合っていますか?
次に声をかけるとき、あるいはただ隣にいるとき──
“言葉の外側”で伝えているものにも、少し意識を向けてみてください。

きっとそこに、チームが動き出すヒントがあるはずです。

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「No.2」をどう育てるか?──課長の次の仕事はリーダーを育てること

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チームの成績も雰囲気も、まずまず順調。
そんなときこそ、ふと頭をよぎることはありませんか?

「このまま自分が中心で動き続ける状態でいいのか?」
「次のリーダーを育てていく必要があるんじゃないか?」

今回の記事では、実際に営業課長の方とのコーチングセッションを通じて見えてきた、
「No.2育成」のリアルな課題と、育て方の工夫について整理しています。

・なぜNo.2を育てる必要があるのか?
・うまく任せられないときにつまずきやすいポイントは?
・具体的にどんな関わり方をすればいいのか?

そんな疑問を持つ方に、現場感あるヒントをお届けできればうれしいです。

1. 次のリーダーを育てる──営業課長との対話から考えるチームづくり

ぼくのコーチングセッションを継続的に受けていただいている方のひとりに、営業課長を務めている方がいます。
いつもチームメンバー一人ひとりが自分らしさを発揮して活躍できるように、チームのマネジメントに全力で取り組んでいらっしゃる方です。

ある日のセッションでも、メンバーとのコミュニケーションについて話している中で、「No.2をもっと育てたい」という課題が話題に上がりました。

チーム全体としてはまずまず好調。でも、自分が常に中心に立つだけでなく、次のリーダーとなる存在を育てたい──そんな視点を持つことは、課長として次のステージに進むサインでもあります。

今回はそのセッションでの対話をもとに、課長クラスの方が「No.2をどう育てていくか?」について、実際の現場感を交えながら整理していきます。

2. 中心で動くだけでは続かない──チーム成長の次のステージへ

チームが安定してきた今、次に必要なのは「次のリーダー」の育成です。
チーム運営がある程度軌道に乗ってきたタイミングで、「次のリーダーを育てたい」と感じる課長の方は少なくありません。
営業成績もチームの雰囲気も悪くない。でもその一方で、「自分がずっと中心に立ち続ける状態は、この先も続けられるのか?」という問いが生まれてきます。

実際、チームが大きくなればなるほど、課長ひとりで全員を細かく見続けることは難しくなります。
そこで必要になるのが、No.2の存在です。

No.2がいることで──
・課長が見きれない部分まで目を配れる
・メンバー同士で支え合う流れが生まれる
・チーム全体が“自走”できる状態に近づく

つまり、No.2を育てることは、自分自身の負担を減らすためだけではなく、チーム全体の力を最大化するための大切なステップなんです。

特に営業部門のような成果主義の環境では、数字に意識が向きやすく、チーム内でリーダー的な役割を担う人材育成は後回しになりがちです。
だからこそ、意識的に「次のリーダーを育てる」時間を確保していく必要があります。

No.2を育てる必要性は分かった。でも実際には、思うように育たないこともあります。
ここからは、そんなときにつまずきやすいポイントを整理していきます。

3. うまく任せられない時に見直すべき3つの視点

コーチングを通じて多くの管理職の方と対話をしていると、「No.2を育てたい」と考えた時に、いくつか共通するつまずきポイントがあると感じます。

まず一つ目は、
自分がやった方が早い──その気持ちを手放しきれないこと。

目の前の業務や数字が動いている中で、「任せたほうがいい」と頭では分かっていても、つい自分で動いてしまう。
その結果、No.2がリーダーシップを発揮する場面が減ってしまいます。

二つ目は、
任せる範囲や役割があいまいなままになってしまうこと。

「リーダーらしく動いてほしい」と思っていても、No.2自身もまだ“チーム全体を見て動く”という感覚よりも、
「自分が動いたほうが早い」という意識が強く残っていることが多いんです。

そのため、こちらが期待しているほど周りを巻き込む動きが見られなかったり、
チームマネジメントよりも自分の数字を優先しがちになったりする場面も出てきます。

ここは、No.2育成において一番大事なポイントだと感じます。
だからこそ、任せる内容や判断の範囲を具体的に言語化して、No.2自身が「どこまで自分が責任を持つのか」を腹落ちできる状態をつくる必要があります。

そして三つ目は、
「任せた=放置」になってしまうこと。

任せることと、任せきりにすることは別物です。
任せたからこそ、節目節目でフィードバックをしたり、相談しやすい関係を保ったりする必要があります。

これらはどれも、忙しい日常の中ではつい後回しになりがちなポイントです。
だからこそ、意識的に仕組みや関わり方を整えていく必要があります。

4. 実践で使える! 育成を進めるための3つの工夫

ここまで触れてきたポイントをふまえて、「No.2」を育てるための具体的なアプローチを3つに絞って整理します。

① 役割の明確化と任せる範囲の言語化

No.2に対しては、「どこまで自分で判断していいか」を明確に伝えることが大前提です。
たとえば、チーム内の進捗確認や後輩指導の主担当はNo.2に任せる、といった具合に、範囲や権限をはっきりさせること。

あいまいなままだと、結局また自分に仕事が戻ってきます。
さらに、No.2の「自分でやった方が早い」が発揮されてしまい、育成が思うように進まなくなることもあります。

② 定期的な対話とフィードバック

任せっぱなしにならないように、No.2とは定期的に状況を確認する場を持つことが大切です。
特に意識したいのは、数字や業務だけでなく「今どんなふうに感じているか」「何がやりづらいか」といった内面的な部分まで話せる関係をつくること。
面談の場所やタイミングを変えるのも一つの工夫です。

③ チーム全体との関係性づくりを支援する

No.2が本当の意味で“リーダー”として機能するためには、他のメンバーからも頼られる存在になる必要があります。
そのためには、課長自身が「No.2を通す」場面を増やしたり、ナンバー3・4・5といった他のメンバーとの橋渡し役を積極的に任せたりすることも有効です。
No.2が自然と中心に立つ流れをつくること。
それが、結果的にチーム全体の自走力につながります。
この3つを意識して関わることで、「自分だけで何とかする」状態から「チームで自然に回る」状態へと、一歩進めるきっかけになります。

 

多くの場合、まずは自分が中心で動く時期があります。
でも、チームが成長し続けるためには、いつかその状態を手放すタイミングがやってきます。

No.2を育てることは、自分の仕事を減らすことではなく、チームの力を底上げすること。
むしろ、自分よりも優秀なNo.2が育った時こそ、本当の意味でチームが強くなったと言えるのかもしれません。

今回まとめた3つのアプローチは、そのための一つのヒントです。
「自分ひとりで全部やる」のではなく、「チームみんなで自然に回る」状態を目指して。
次のリーダーを育てることも、リーダー自身の大事な役割です。
チームの未来を考えるなら、No.2育成から、ぜひ始めてみてください。

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重責を担う管理職が、自分らしさを取り戻すとき──仕事のストーリーを描き直す3つの問い

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責任ある立場を任され、チームや組織全体を見渡す毎日。
ふと気がつくと、自分自身の気持ちや「わたしらしさ」を後回しにしてしまっている──
そんな感覚を持ったことはありませんか?

この記事では、経営企画部門課長という立場を例に、
重責を担う管理職が、自分らしさを取り戻すためのヒントをまとめました。

忙しい日々の中でも立ち止まり、自分自身を見つめ直すための「3つの問い」をご紹介します。
よかったら、今のあなた自身と重ねながら読み進めてみてください。

① はじめに

経営企画部門の課長として、日々多くの判断や調整を任される。
それは、信頼されている証でもあり、組織を支える大切な役割です。

けれど──
「このままでいいんだろうか」
「自分の気持ちは、どこに置いてきたんだろう」

ふとそんな風に立ち止まる瞬間もあるのではないでしょうか。
家族やチーム、組織のことを優先し続ける中で、
自分らしさがどこかに行ってしまった気がする。

そんな時こそ、一度立ち止まって
「わたし自身のストーリー」を描き直す時間を持ってみませんか。

今日は、とある経営企画部門の管理職の方とのコーチングセッションをきっかけに
重責を担いながら自分らしく働くことについて考えてみたいと思います。

自分らしさを忘れずに働き続けるためのヒント。ぜひ最後までお読みください。

② 「課長」という役割に押しつぶされそうになる瞬間

経営企画部門の課長という立場は、現場の状況を見渡し、
組織全体の流れをつくるポジションでもあります。

自分ひとりの判断が、部署や会社全体に影響する──
そんな責任の重さが、いつの間にか心に積み重なっているかもしれません。

さらに、家族やプライベートの時間も大切にしたい。
でも、すべてを完璧にこなそうとすればするほど、
「時間が足りない」「もっとできるはずなのに」と
自分自身を責める気持ちが強くなってしまうこともあります。

気がつけば、
「わたしは何のためにこの仕事をしているんだろう」
そんな問いさえ後回しになり、
ただ目の前のタスクをこなすだけの日々になってしまう──。

役割が大きくなればなるほど、
そんなふうに自分自身を見失いそうになる瞬間は、誰にでもあるものです。

まずはその事実に静かに気づき、
一度立ち止まること。
それもまた、大切なひとつの選択なのかもしれません。

③ 仕事は“タスク”ではなく“ストーリー”

経営企画部門の課長という役割を担っていると、
日々やるべきことは山のようにあります。
会議、資料作成、調整業務、チームマネジメント…。

気づけば、それら一つひとつが「ただのタスク」に見えてしまう。
そんな状態に陥ることもあるかもしれません。

けれど本来、仕事は単なるタスクの積み重ねではなく、
あなた自身の“ストーリー”の一部でもあります。

「このプロジェクトは、誰のために役立つものなのか?」
「この提案書は、どんな未来につながっていくのか?」
そんなふうに一歩引いて全体を見渡すと、
自分が今やっていることの意味や価値が、少しずつ輪郭を取り戻してきます。

これは、“英雄の旅”とも呼ばれる『ヒーローズジャーニー』という考え方にも通じます。
物語や神話に共通する流れをまとめたもので、
主人公がある日、普段の世界から一歩踏み出し、
さまざまな試練や学びを経て成長し、また元の場所に戻ってくる──
そんな循環のことを指します。

どんな物語にも、挑戦や試練があり、
それを越えた先に成長や新しい視点があります。

日々の忙しさに埋もれてしまいそうなときこそ、
「いま、自分はどんなストーリーのどの場面にいるんだろう?」
そんな問いを、そっと自分自身に投げかけてみてください。

タスクをこなすだけの日々から、
一歩先の視点を持つことができるはずです。

④ 「自分らしさ」を取り戻すための3つの問い

忙しさや責任感に押される日々の中でも、
自分らしさを見失わずに働き続けるためには、
ときどき自分自身と向き合う時間が必要です。

とはいえ、いきなり「自分らしさとは?」と考えるのは難しいもの。
そこで、日々の中で立ち止まったときに役立つ
3つの問いをお届けします。

1. いま、自分はどんなストーリーのどの場面にいるのか?

──「挑戦の真っ只中」かもしれないし、
「少し休む時期」かもしれません。
まずはその場所を静かに確認することから。

2. この経験を通じて、誰に何を伝えたいのか?

──仕事は、自分一人のものではありません。
後輩や部下、家族、あるいは未来の自分へ。
この経験を通じて伝えたいことを考えてみると、
今やっていることの意味がまた少し変わって見えるはずです。

3. 自分の強みは、どの場面で一番活かせるのか?

──強みは「いつも同じ形で発揮するもの」ではありません。
状況に応じて形を変えながら活かしていくもの。
だからこそ、自分の強みと仕事の場面をすり合わせる視点を持つことが大切です。

この3つの問いは、特別な時間を取らなくても大丈夫。
朝の通勤時間や、ふと一息ついたとき。
そんなちょっとした瞬間に、自分自身に問いかけてみてください。

小さな習慣の積み重ねが、
「わたし自身のストーリー」を描き直す力になります。

⑤ おわりに

経営企画部門の課長という立場は、
チームや組織を支える重要な役割である一方で、
ときに「わたし自身」を置き去りにしてしまうこともあります。

けれど、役割や立場が変わったとしても、
あなた自身のストーリーは、ずっと続いています。

誰かの期待に応えることも大切。
組織を守ることももちろん大切。
でも、その中に「自分自身の想い」をそっと置いておけるかどうか。

それが、責任ある立場を長く続けていくための、
静かでしなやかな土台になるのだと思います。

今回お伝えした3つの問いを、ぜひ日々の中で思い出してみてください。
立場や状況がどんなに変わっても、
「わたし自身のストーリー」を描き続けていけるように。

あなたのストーリーが、これからもあなたらしく続いていくことを願っています。

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『人が足りない』は本質じゃない??──とあるセッションで感じた、“感情を扱う”という視点

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「人が足りないんです」

そんな言葉を、現場を預かる立場の方から聞くことは少なくありません。

たしかに、採用が難しい。育成にも時間がかかる。

仕組みや制度を見直しても、思うように動かない──

そんな歯がゆさを感じている方も多いのではないでしょうか。

今回のブログは、ある取締役とのコーチングセッションをきっかけに書いたものです。

その方の現場で起きていたのも、「人が足りない」ことで見えてきた業務の停滞でした。

でも、対話を通じてあらためて浮かび上がってきたのは、

仕組みや制度の話だけではなく、

“関係性の中にある小さな感情”が、チームや業務の流れを左右しているという事実でした。

「うまくいかない理由」に、もう少しだけ丁寧に目を向けてみる。

そんな視点のヒントになれば嬉しいです。

① 背景にある問い:「人が足りない」のか、本当に?

先日、とある企業の取締役の方とのコーチングセッションを行いました。

バックオフィス全体を統括されている方で、実務にも現場にも深く関わっておられます。

その日のテーマは、経理業務が思うように進まず、全体の流れに遅れが出ているというものでした。

人が足りないのかもしれない。

経験者を採用しても定着せず、派遣で補っても引き継ぎに時間がかかる。

今いるメンバーには限界が見えはじめている──

そんな現場の実感が、静かな語り口の中ににじんでいました。

話は自然と、人材の配置や教育プロセス、新しいシステムの導入といった「実務上の打ち手」に流れていきます。

けれど、そのやり取りの中で、ぼくの中にはある問いが浮かび上がってきました。

仕組みや制度だけじゃなくて、

人と人との関わり方にも、業務をスムーズにするヒントがあるんじゃないか。

関係性が止めていた:仕組みだけでは動かない理由

セッションでは、業務の流れをどう整えるか、人の配置をどう見直すか、具体的な話題が次々と出てきました。

チームや業務が滞っているとき、多くの組織では「仕組み」「制度」「スキル」の話をします。

もちろん、それらはとても大事な要素です。

でも、多くの企業をコーチングを通じて支援してきた中で、

実際には「仕組み」「制度」「スキル」の改善をしてもうまくいかない場面をたくさん見てきました。

うまく回らない原因が、“人と人との関係性”の中にあることは、これまで何度も見てきました。

たとえば──

誰に、どう伝えるか。どこまで任せるか。

マネージャーになることを避ける人に、どう声をかけるか。

こうしたテーマは一見、実務の範囲内に見えます。

でもその奥には、ちょっとした気まずさや、失敗への恐れ、責任感の重さといった“感情”の層がある。

それらは会議の議題には上がらないし、表立っては語られない。

でも、そこに少し目を向けるだけで、滞っていたやりとりがスッと動き出すことがある──

これも、コーチングを通じてぼくが何度も実感してきたことの一つです。

今回のセッションは、そのことをあらためて思い出させてくれるような時間でした。

③ 話すより、まず“聴く”:リーダーにできる対話のつくり方

役職が上がるほど、「どう判断するか」「どう決めるか」が求められる場面が増えていきます。

それ自体は当然のことだし、現場が混乱しないようにするための重要な役割でもあります。

でも、状況が複雑だったり、メンバーの思いや関係性が絡むときほど、

「まずは、相談という形で話してみる」という選択肢が、有効な場面もあると感じています。

今回のセッションでも、

「それって、決めるというより、まず“相談ベース”で伝えてみるのはどうでしょう?」

というやり取りが自然と出てきました。

誰かに動いてもらいたいとき、指示や依頼ではなく「聴くこと」から始める。

その余白があるだけで、相手の受け取り方がまったく変わることもあります。

何かを決めてから伝えるのではなく、

まだ決まっていない段階で声をかけてみる。

そうすることで、相手との間に「考える時間」や「すり合わせの余地」が生まれていく。

そんな関わり方が、感情が複雑に絡むような場面では、

実はすごく実務的な“前進のきっかけ”になるんじゃないか──

そんなことを、あらためて感じたセッションでした。

④ おわりに:感情は“チームを動かす力”になる

業務が滞っているとき、つい「仕組みを整えよう」「人を増やそう」といった対策に意識が向きがちです。

でも実際には、その前に「関係性のひっかかり」や「伝え方への迷い」といった、

表に出にくい“感情の層”が、動きを止めていることも少なくありません。

感情といっても、大げさな話ではなくて──

ちょっとした気まずさとか、失敗への恐れとか、「これ以上負担をかけたくないな」という遠慮とか。

そういう小さな気持ちの積み重ねが、チームや業務の流れをじわじわと止めてしまうことがあるんです。

今回のセッションでは、そうした話題が大きく扱われたわけではありません。

むしろ、話題の中心はあくまで実務でした。

でも、その中にふと現れた一言や反応が、ぼく自身にとって大事なヒントになりました。

「感情を扱う」というと、構えてしまう方も多いかもしれません。

でも実はそれは、チームをスムーズに動かすための、ごく実践的なヒントでもあるんだと思います。

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その言葉、誰のため? 聴くことから始まるチームづくり

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1. 冒頭:「伝えること」に必死になっていないか?

部下が思うように動かない。
チームにどうも一体感がない。
──そんなとき、つい考えてしまうのが「もっと伝えなきゃ」ということ。

指示の出し方が悪かったのかもしれない。
期待をもっと明確に伝えるべきだったかもしれない。
あるいは、感情的にならずに、もっと冷静に説明するべきだったのかも。

でも、こうした“伝えること”への意識が強くなればなるほど、
逆にチームの反応が鈍くなる…そんな感覚に覚えがある方もいるのではないでしょうか。

実はそこに、「関係性が動き出すヒント」が隠れていることがあります。
それは、伝えることよりも“聴くこと”のほうが、チームを変える力を持っているという事実です。

ぼくがこれまでコーチングの現場でご一緒してきた、
さまざまな業種の多くの管理職の方も、
あるタイミングから“伝えること”への力みを少し手放し、
「どう聴くか」「何を受け取るか」に目を向け始めたときに、
チームとの関係性が少しずつ変化していくのを実感されています。

コミュニケーションを変える第一歩は、
“話し方を磨くこと”ではなく、「伝える前に立ち止まること」かもしれません。

2. 会話が変わると、チームが変わる──その実感

「最近、前よりも話してくれるようになった気がする」
「ミーティングで誰かが話し始めると、自然と他のメンバーも反応してくれるようになった」

そんな変化の声を、コーチングの中で管理職の方から聞くことがあります。
そのきっかけになっているのは、多くの場合、特別なスキルや施策ではありません。

それは、“聴き方”が変わったことによる、空気の変化です。

「こう言えば部下が動くだろう」「これを伝えれば納得してくれるはず」──
そんな“伝えようとする努力”は、もちろん大切なものです。
けれど、それだけでは伝わらないことがある。

むしろ、相手が話すのを待つ。
言葉をかぶせずに聴く。
評価せずに受け止める。
その“余白”があることで、メンバーは少しずつ「話してもいい」と思えるようになる。

とくに、管理職という立場であるあなたの一言は、
本人が意図する以上に大きく響き、影響を与えます。
だからこそ、言葉を選ぶこと以上に、“聴く姿勢”が大切になる場面があるのです。

「伝えよう」とする気持ちが強いほど、
知らず知らずのうちに、相手の言葉が入るスペースを奪っていることがある。

ほんの少し立ち止まって、相手の声に耳を傾ける。
その姿勢が、チームの空気を変え、関係性をじんわりと動かしていくのです。

3. “伝える力”よりも、“受け取る力”が先

コミュニケーションというと、「どう伝えるか」が主役になりがちです。
プレゼン力、言語化力、ロジカルシンキング──それらは確かにビジネスにおいて重要なスキルです。

でも、チームを動かし、関係性を育てるという文脈においては、
“受け取る力”が先にあってこそ、“伝える力”が活きるのではないでしょうか。

たとえば、メンバーに「期待してるよ」と声をかけるとき。
それが応援になるか、プレッシャーになるかは、相手が今どんな状態かによって変わります。
つまり、“何を言うか”と同じくらい、“いつ、誰に、どんな気持ちで言うか”が大事なんです。

その違いを見極めるには、まず相手のことをよく“見る”こと、
そして、“聴くこと”が必要です。

自分の正しさや意図を押しつける前に、
「相手は何を感じているだろうか」
「どんな前提をもって、この話を受け取るだろうか」
そんな問いを、言葉を発する前の1秒間に、自分に向けてみる。

その“間”があるかないかで、
言葉の届き方も、相手の反応も、大きく変わってくるのです。

だからこそ、伝えるスキルを磨くよりも先に、
相手を受け取る土台を、自分の中につくっておくことが、信頼を育てる一歩になります。

4. 自然体のリーダーシップと、余白のある対話

管理職という立場になると、
「ちゃんとしなきゃ」「見本にならなきゃ」と、どうしても構えてしまうことがあります。

でも、その“構え”が、かえってコミュニケーションの流れを堰き止めてしまうことがあるんです。

こちらが肩に力を入れて話せば、相手も構えます。
完璧に伝えようとするほど、対話の“余白”がなくなってしまう。
結果として、「話しやすさ」が失われていくんですね。

実は、自然体でいることそのものが、強いメッセージになることがあります。

「すごいことを言わなくてもいい」
「ちゃんと答えられなくても大丈夫」
そう思ってもらえる空気感があるだけで、
部下は自分の言葉で話そうとし始めます。

そのきっかけになるのが、何気ない問いです。

「どう思う?」
「何か気になることある?」
「最近どう?」

──こんな、答えに“正解”のない問いかけ。
評価や判断をしない問いが、相手の心を少しずつ開いていきます。

そして、その姿勢こそがリーダーシップの本質ではないか と、ぼくは思うんです。

自然体で関わること。
構えずに、相手と同じ地平に立つこと。
対話に余白を持たせること。

それは、管理職としての“弱さ”ではなく、
むしろ“信頼をつくる強さ”なのかもしれません。

5. 相手の価値観に立った“ひとこと”が、関係を変える

言葉は、ときに人を動かします。
でもそれは、「正しい言葉」を選べば動く、という単純な話ではありません。

同じ言葉でも、ある人には届き、別の人には響かない。
それは、相手の価値観や、そのときの状態によって、言葉の意味が変わるからです。

たとえば、部下に「もっと自信を持って」と伝えたとき。
その言葉が励ましになることもあれば、
「プレッシャーだな」と感じさせてしまうこともある。

この違いは、伝える側の“言い方”や“論理”ではなく、
相手が今、どんな状態でその場にいるか──
その“前提”に目を向けられているかどうか、にかかっています。

だからこそ、「この言葉、誰のために言ってるんだろう?」と立ち止まる習慣が大切になります。

「自分を安心させるために言っているのか」
「相手を動かすためだけに言っているのか」
それとも、相手の価値観を尊重して、本当に支えになりたいと思っているのか

そこに自覚があると、同じ言葉でも“温度”が変わります。

相手に寄り添おうとする気持ちがにじんだひとことは、
派手じゃなくても、確実に相手の心に残るものになります。

管理職として言葉を使うということは、
“コントロールするため”ではなく、
相手が伸び伸びと働き、自分らしく成長していけるよう支援するためにある。

その土台となるのが、相手の価値観に立って言葉をかける姿勢であり、
信頼に根ざした、あたたかなコミュニケーションなのだと思います。

6. 結び:関係の質は、対話の積み重ねで変えられる

「もっと伝えなきゃ」と力んでいたときには見えなかったことが、
少し立ち止まって“聴く”ことを意識し始めると、不思議と見えてくることがあります。

表情の変化。
言葉の選び方。
沈黙の向こうにある感情。

相手の反応を丁寧に“受け取る”ようになると、
それまで一方通行だったコミュニケーションが、すこしずつ“対話”に変わっていきます。

そしてこの「対話の質」が、
チームの空気を変え、関係性を育て、
結果的に一人ひとりのパフォーマンスや働き方にも影響していくのです。

伝え方の工夫も、言葉の力も、もちろん大切です。
でもその前に、自分の“聴く姿勢”がどうあるかを問い直すことが、
管理職としてのリーダーシップをぐっと深めてくれる──
ぼくはそう信じています。

日々の会話のなかで、ほんの少し立ち止まる。
「この言葉は誰のため?」と自分に問うてみる。
「今、何を感じている?」と相手に尋ねてみる。

そんな小さな対話の積み重ねが、
“伝わるチーム”をつくり、
“安心して働ける関係性”を育てていくはずです。

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「ありがとう」と「数字」を共有する営業所は、なぜ強くなるのか?

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――とある営業所長との対話から見えた、“信頼の空気”をつくるふたつの鍵

第1章 はじめに

「所内の空気は悪くないし、売上も上がっています。

でも…どこかに“温度差”がある気がするんです。」

そんな言葉から始まった、とある営業所長とのコーチングセッション。

その方はこれまで複数の営業所で経験を重ね、今年4月に現在の営業所に着任しました。

プレイヤーとして結果を出しながら、育成にも真剣に取り組んできた方です。

今回の営業所でも、数字は安定しており、外から見れば順調に見えます。

しかし、着任から数週間、所内を丁寧に観察する中で、

少しずつ“見えない課題”に気づきはじめました。

「課をまたいだ連携が弱い気がする」

「非営業部門の動きに、やや“やらされ感”がある」

「報告や会議はあるけれど、行動の芯が揃っていない感じがする」

こうした感覚は、制度や仕組みの問題というよりも、空気の問題です。

表には見えにくいけれど、確実に営業所全体の力に影響しているものだと感じさせる内容でした。

その違和感に、正面から向き合おうとする姿勢に、

コーチとしての私も強く共感しました。

コーチングセッションを進めていく中で、とある営業所長の中に少しずつ浮かび上がってきたのが、

「ありがとうをもっと増やしたい」

「数字をもっとオープンにしていきたい」

という、ふたつのキーワードです。

どちらもシンプルな言葉ですが、

背景には「この営業所を、もっと信頼でつながった場所にしたい」という思いがありました。

この記事では、とある営業所長とのコーチングセッションを通じて見えてきた、

営業所全体を“信頼で動く組織”に育てていくための具体的なヒントを、

コーチとしての視点からお伝えしていきます。

第2章|数字を全所員と共有する──“営業所のひとつの船”としての自覚を育てる

コーチングセッションの中で、このクライアントさんはこんな話をしてくれました。

「営業のメンバーは、自分の数字とか、自分の課の数字にはちゃんとこだわるんです。

でも、“営業所全体の数字”に対しては、あまり関心がないというか…

そこへのこだわりが、もう少し欲しいなと思ってるんですよね。」

そしてもうひとつ。

「非営業のメンバーにも、もっと“数字への意識”を持ってもらいたい」とも話してくれました。

これは、営業所という単位でマネジメントをしていく上で、非常に本質的な課題だと感じました。

個人や課が目標に向かって努力する姿勢はもちろん大事です。

でも、それだけでは営業所全体の一体感や連携は生まれてきません。

営業所という「ひとつの船」を意識できるか

営業所は、ひとつのチームではなく、複数の課や機能が集まった集合体です。

それぞれが目標に向かって動いているからこそ、

全体を“ひとつの船”として動かしていくには、意識のベクトルを揃える必要があります。

クライアントさんはこう話していました。

「自分の数字は気にする。自分の数字をやっていれば営業所の数字はなんとかなるだろうってなりがちなんです。」

この“他人任せの空気”を変えていくためには、

やはり営業所全体の数字を「見える化」していくことが大切です。

・今、営業所はどんな状況なのか?

・どこに強みがあって、どこに弱点があるのか?

・数字の意味や背景を、全体で共有できているか?

数字の見せ方を工夫することで、営業所内に「共通言語」を育てていくことができます。

非営業メンバーの“数字感覚”を育てる

クライアントさんがもうひとつ強く望んでいたのは、

非営業メンバーにも“数字へのこだわり”を持ってほしいということでした。

でも、非営業の立場からすると、

「自分の仕事が数字とどうつながっているか」は見えにくいものです。

だからこそ、所長であるクライアントさんが、そのつながりを丁寧に言葉にしていくことが求められています。

・この仕事が、どういう数字に影響しているのか

・それが営業所にとって、どんな意味を持つのか

・その一手が、営業所の“力”をつくっていること

情報をただ共有するだけでなく、「腹落ち」してもらうことが大切です。

全員が“同じ数字”を見ているという感覚

クライアントさんは今後、営業所会議の場で、

経営の数字を全所員と共有していく予定です。

もちろん、細部まで細かく開示するわけではありません。

けれど、「この営業所は今こういう状況にある」

「この目標を達成するには、こういう力が必要なんだ」

というメッセージを、自分の言葉で伝えていくつもりだそうです。

数字を開示するのは、管理や評価のためではなく、

“一緒に動いていくための言葉”を整えることなのだと感じます。

全員が「自分の数字」「自分の課の数字」だけでなく、

「営業所全体の数字」も“自分ごと”として見られるようになったとき、

ようやく営業所は“組織としての力”を発揮しはじめるのではないでしょうか。

次章では、もうひとつのキーワード「ありがとう」を通じて、

“関係性の空気”をどう整えていくかを掘り下げていきます。

第3章|“ありがとう”が自然に生まれる営業所とは?

前章でお伝えしたように、このクライアントさんは、営業所全体のベクトルを揃えるために、

まず「数字を全所員と共有する」ことに取り組もうとしていました。

営業のメンバーは自分や課の数字には強くこだわる一方で、

営業所全体の数字には無関心になりがち。

また、非営業のメンバーは数字とのつながりを実感しづらく、当事者意識を持ちにくい。

そこで、数字を“見える化”し、みんなで同じ方向を向けるようにする――

このアプローチは、所長としての意思ある一歩でした。

けれど、コーチングセッションのなかでぼくと対話を重ねていく中で、

クライアントさんは、ふとこうつぶやきました。

「数字を共有すれば、確かに意識はそろうかもしれません。

でも、それだけで営業所が一体感を持って動けるようになるとは思えなくなってきました。」

数字で方向をそろえるだけでは、心のベクトルを揃えることは難しい

クライアントさんが感じていたのは、

「全体の目標はある。でも、個々の行動や関わりには“温度差”がある」という感覚でした。

そのとき、以前から頭の片隅にあったキーワードが、再び浮かび上がってきました。

それが――**「感謝される営業所」**です。

この言葉を思い出したとき、クライアントさんの中で、ある確信が生まれました。

お客様に「ありがとう」と言われる組織になるためには、まず自分たちが、互いに積極的に感謝を表現する必要がある。

「感謝される営業所」の第一歩は、営業所のなかで『ありがとう』が自然に飛び交う空気をつくることだ――

そんな考えに至ったのです。

「ありがとう」は、感情のベクトルをそろえる

クライアントさんは言います。

「ありがとうって、気づいたときに自然に出る言葉じゃないですか。

でも、その“気づき”自体が、今ちょっと薄れている気がするんです。」

ありがとうの言葉が自然に出てくるようになるためには、

お互いの動きや思いを“見る”力が必要です。

そしてその根っこには、「この場所を良くしたい」「一緒にやっていきたい」という

感情の方向性=ベクトルの一致があります。

感謝を“増やす”というマネジメント

クライアントさんは、感謝の言葉を増やすことを、

単なる“雰囲気づくり”とは捉えていませんでした。

むしろ、それを営業所の基礎力を上げるアプローチだと考えています。

・小さな気づきを見逃さない

・役割や立場を超えて声をかけ合う

・「助かった」「ありがたい」をためらわずに言葉にする

こうしたことが日常的に行われるようになると、

数字や制度では生まれにくい“関係性の信頼”が育っていきます。

「ありがとう」が飛び交う営業所にしたい。

その思いは、どんなマネジメント手法よりも、

このクライアントさんのあり方そのものを体現しているように感じました。

次章では、このような空気を営業所全体に広げていくために、

どんな“仕掛け”が考えられるのかをご紹介していきます。

第4章|言葉を空気に変えていくための「仕掛け」

「営業所のなかに“ありがとう”が飛び交う空気をつくりたい」

そんな思いを口にしたこのクライアントさんの言葉を受けて、

ぼく自身も、感謝の言葉が自然と交わされる組織にはどんな共通点があるのかを改めて考えていました。

その中で浮かんできたのが、「仕掛け」というキーワードです。

“いい雰囲気になったら感謝が増える”のではなく、

意図して空気をつくるための導線を用意することが必要なのではないかと。

雰囲気ではなく、仕掛けで空気をつくる

「ありがとう」は、自発的な言葉だからこそ力を持ちます。

でも、それを職場で自然に交わし合うには、ちょっとしたきっかけや仕組みがあった方がいいと感じています。

たとえば──

•面談や振り返りの場で「感謝したこと・されたこと」を言葉にする時間をつくる

•チャットやホワイトボードに“ありがとうメモ”を貼れるスペースを設ける

•定例の営業所会議に「今週のありがとう」という一言共有コーナーをつくる

こうした“動線”があるだけで、感謝の言葉は少しずつ日常に溶け込んでいきます。

感謝は「言おう」ではなく「言いたくなる」をつくるもの

「ありがとう」は強制できません。

むしろ、「感謝すべきことを探さなきゃいけない」となると、言葉が軽くなってしまうこともあります。

だからこそ大事なのは、自然と感謝したくなる空気をつくること

そのためには、“誰かが見てくれている”“自分も誰かを見ている”という相互の関心が必要です。

仕掛けの役割は、その“最初の一歩”を後押しすることにあると、ぼくは考えています。

そして、所長が動き方で語る

どんな仕掛けも、“誰がどう動くか”によって意味が変わります。

クライアントさんは、それをよく理解していました。

仕掛けを用意するだけでなく、

所長自身が一番最初に「ありがとう」を口にし、形にしていく――

その姿勢そのものが、組織へのメッセージになるのだと思います。

「ありがとう」の出発点に、自分がなる。

そのリーダーシップのある姿勢は、周囲の信頼と空気を確実に変えていく力を持っています。

“言葉を空気に変える”。

そのためにできる工夫は、決して大げさなものである必要はありません。

けれど、そこに意図があるかどうかで、営業所の未来は大きく変わると、ぼくは信じています。

次章では、ここまでの対話や気づきを踏まえて、

このクライアントさんが取り組もうとしている営業所マネジメントの“今とこれから”を整理していきます。

第5章|「信頼で動く営業所づくり」の今とこれから

ここまで書いてきたように、このクライアントさんは、

営業所を“信頼で動く組織”へと少しずつ変えていこうとしています。

その取り組みは、派手さこそありませんが、

現場で日々のリアルと向き合いながら、一歩ずつ“空気の質”を変えていく営みです。

取り組みの3つの柱

現在、営業所で進めようとしている取り組みは、大きく分けて3つの柱で構成されています。

① 数字の共有で、見ている方向をそろえる

営業や課の数字だけでなく、営業所全体の状況や経営的な観点も丁寧に共有していくことで、

メンバー一人ひとりが“営業所の一員”としての意識を持てるようにする。

② 感謝の言葉で、関係性の温度を上げる

「ありがとう」が自然と出てくるような関係性を、所内に少しずつ育てていく。

感情のベクトルをそろえることで、行動のベクトルにも影響が生まれていく。

③ 所長が仕掛け人として動く

場の空気は、自然発生するものではなく、意図してつくっていくもの。

その出発点に立つのが所長自身であり、日々の姿勢やふるまいこそが最大のメッセージになる。

“マネジメントとは、空気をつくること”

コーチとしてこのクライアントさんと関わる中で、

ぼく自身が改めて実感したことがあります。

それは――**マネジメントとは、“人を動かすこと”ではなく、“空気を整えること”**だということです。

制度や仕組みを整えても、思うように人が動かないのはよくある話です。

でも、関係性の空気が変わると、言葉の届き方も、行動の変化も、まるで違ってきます。

このクライアントさんのように、

目の前のチームや所の“空気”に意識を向け、より良い組織にしていこうとする姿勢は、

とても誠実で、実践的なマネジメントのあり方だと感じています。

「できることからやる」ことの力

最後に強調しておきたいのは、

このクライアントさんが決して完璧な状態を目指しているわけではない、ということです。

大きな改革でも、制度の見直しでもなく、

「できることからやる」というシンプルな行動こそが、営業所の空気を変える原動力になっています。

だからこそ、同じようにマネジメントに悩む方々にとっても、

こうした取り組みは“特別なこと”ではなく、すぐにでも始められる現実的な一歩として響くのではないでしょうか。

おわりに

この記事は、あるクライアントさんとのセッションを通じて見えてきた、

“信頼で動く営業所”へのヒントを整理したものです。

現場を預かる責任と孤独の中で、

「どうしたらうまくいくか」ではなく「どうしたら信頼が育つか」を考え続ける。

そんな所長の姿に、ぼく自身もたくさんエネルギーをいただきました。

組織が変わるきっかけは、いつも“小さな気づき”と“丁寧な実践”から始まります。

もしこの文章が、誰かのその一歩の背中をそっと押せたなら、これ以上うれしいことはありません。

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